ホーム > 業界の取り組み > 鉄鋼製品のLCA > ISO 20915/JIS Q 20915 (鉄鋼製品のLCI計算方法の規格)

ISO 20915/JIS Q 20915
(鉄鋼製品のLCI計算方法の規格)

鉄鋼製品は製品としての寿命を終えた後にそのほぼ全量がスクラップとして回収され、新たに鉄鋼製品として生まれ変わっています。鉄鋼製品はこの優れたリサイクル特性によって、鉄鋼製造時の環境負荷を大きく低減し、天然資源の採掘量や廃棄物の処理量も削減しています。このように、鉄鋼製品の環境負荷を評価する際リサイクル性を考慮することは地球温暖化防止や循環型社会形成のために非常に重要です。しかし、これまではリサイクル効果の計算方法が確立されていなかったため、素材製品の環境負荷は、資源採掘から工場での製造までという、ライフサイクルの一部分のみで評価が行われることが一般的でした。

 

その中で、世界鉄鋼協会(World Steel Association: worldsteel)では1990年代半ばに、鉄鋼製品のクローズドループリサイクルの特性を踏まえ、環境負荷(ライフサイクルインベントリ、LCI)の計算にリサイクル効果も含める計算法を確立していました。2015年、その鉄鋼製品のリサイクル効果を含めた環境負荷計算方法を国際規格にすることを日本鉄鋼連盟が提案し、worldsteel等と連携しつつ、2018年11月、ISO 20915「Life cycle inventory calculation methodology for steel products」規格が発行されました。さらに、2019年6月にはこれに対応する国内規格であるJIS Q 20915「鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ計算手法」も発行されました。

 

これらの規格では、資源採掘から工場での製造までに加えて鉄鋼製品のリサイクル効果を計算する方法が示されており、リサイクル効果も含めた鉄鋼製品のライフサイクル全体での環境負荷を計算することが可能となりました。

 

<鉄連プレスリリースリンク>

ISO 20915規格の発行について
JIS Q 20915発行について

 

*ライフサイクルインベントリ(Life Cycle Inventory, LCI): 製品のライフサイクルにおいて、使用する資源量や、CO2などの環境負荷物質の排出量のデータのこと。

ページの先頭へ