これまでに「エコプロセス」「エコプロダクト」「エコソリューション」の3つのエコで、約7,000万トンのCO2削減という大きな成果を挙げてきましたが、現状に満足することなく、2020年に向け引き続き3つのエコを強力に推進していきます。「エコプロセス」では自らの目標として500万トン。「エコプロダクト」での貢献は3,400万トン(推定)。そして、「エコソリューション」での貢献は7,000万トン(推定)。地球規模での大幅なCO2削減に全力を上げて取り組んでいます。
2020年に向けて
鉄鋼製造プロセスで世界最高水準のエネルギー効率の更なる向上
2020年の目標として、総合資源エネルギー調査会から答申された長期エネルギー需給見通し(再計算)の「2020年の粗鋼生産11,966万tを前提として、最先端技術を最大限導入した場合の削減量約500万t-CO2(2020年BAUからの削減分。電力の排出係数の改善分は除く。)」を目指す(削減コスト約1兆円)。
低炭素社会の構築に不可欠な高機能鋼材の供給を通じて、最終製品として使用される段階において排出削減に貢献
世界最高水準の省エネ技術を途上国を中心に移転・普及し、地球規模での削減に貢献
もちろん、鉄鋼業界単独での取り組みには限界があります。素材から部品、最終製品の共同開発と供給を通じて構築した製造業との連携は、ものづくり大国・日本としての強さであり、地球温暖化対策の鍵となっています。開発すべき技術課題や具体的な削減施策を共有し、これからも他の産業とともに低炭素社会の構築をめざします。
また、地球温暖化問題は日本国内の削減だけでは解決しません。今後、中国や他の新興国の経済成長により、世界の鉄鋼需要は大幅な増加が見込まれています。「エコプロセス」「エコプロダクト」「エコソリューション」の“3つのエコ”により、世界最高効率の生産工程で高機能鋼材を供給するとともに、省エネ技術や設備を世界に普及させ、日本鉄鋼業は地球温暖化対策を牽引していきます。
- 2009年 11月26日日本鉄鋼業の地球温暖化問題への取り組み (PDF)
- 2009年 11月26日(別紙)日本鉄鋼業の地球温暖化問題への取り組み (PDF)
現在、エコプロセスの具体的な省エネ活動として進めている自主行動計画、そして2020年に向けた500万トンCO2削減。日本鉄鋼業は、今までも、これからも、世界最高水準のエネルギー効率の更なる向上に努めます。しかし、長期的、抜本的なCO2削減を行うためには、現在実用化されている技術だけでは限界があることも事実です。
鉄を作るためには、鉄鉱石の還元で石炭を使用するため、CO2排出は避けられない問題です。そこで、革新的製鉄プロセスの技術開発(COURSE50)によって、水素による鉄鉱石の還元と高炉ガスからのCO2分離回収をすることで、約30%のCO2削減をめざしています。2030年を目処に技術を確立し、2050年頃までの実用化をめざし開発を進めています。
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