Q&A
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- Q1
- 薄板軽量形鋼造はこれまでの軽量鉄骨造とどう違うのですか。
- A1
- 薄板軽量形鋼造の代表例が壁式構造のいわゆるスチールハウスであり、ラーメン架構が代表的な従来の軽量鉄骨造と異なる点です。また、従来の軽量鉄骨造に用いる形鋼と異なり、薄板軽量形鋼造の枠組材として用いる形鋼の厚さは0.4mm以上2.3mm未満が対象となっています。薄板軽量形鋼造はねじ接合が可能で、従来の鉄骨造のような専門の鍛冶工や塗装工を必要としない、簡便な工法と言えます。
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- Q2
- 枠組の定義はどのようなものか。枠組壁工法の枠組と同義ですか。
- A2
- 枠組壁工法の告示(平成13年告示第1540号)で定める「枠組」と同義です。
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- Q3
- 1階床版を薄板軽量形鋼造とせずに、たとえば置き床工法とすることができるのですか。その場合の留意点は何ですか。
- A3
- 本告示第4に床版の規定がありますが、使用する床材と水平力の伝達性能を規定しているのみで、必ずしも薄板軽量形鋼造とする必要はありません。置き床工法というのは土間コンクリート床や基礎スラブの上に転がし根太等を介して床材を設置する方法だと思われますが、この場合の留意点としては1階の耐力壁や支持壁を直接堅固な基礎で支える構造とすることです。
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- Q4
- 構造計算に必要な耐力壁のせん断耐力は、実験によって確認した数値としていますが、材料など法の抵触がなければ、確認申請だけの審査と考えてよいのですか。
- A4
- 平成13年国土交通省告示第1641号 第5の規定
に該当する耐力壁であれば、「薄板軽量形鋼造建
築物設計の手引き 第2版」に記載されたせん断
耐力を用いることができます。第5の規定に該当し
ない耐力壁は同手引きに記載された実験によって
評価することも可能です。ルート1で構造計算する
場合は、建築確認審査を受けることになります。
ルート3で計算する場合は構造適合性判定の審査
も必要です。
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- Q5
- 2.3mm未満の薄板軽量形鋼どうしの接合、あるいは片方が重量鉄骨の場合、高力ボルトの使用、中ボルトあるいは溶接接合は可能なのですか。
- A5
- 本告示第8第二号に規定されるようにボルト接合、溶接接合は可能です。高力ボルトは実験等により接合部の挙動や性能を確認する必要があります。
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- Q6
- 第8節号におけるドリリングタッピンねじによる接合方法では、建築基準法施行令第67条の建築物の規模制限(「張り間13m以下」、「延べ面積3000m2以下」)が適用されるのですか。
- A6
- ドリリングタッピンねじによる接合方法では、令第67条の建築物の規模制限は適用されません。
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- Q7
- 木部に関して防蟻処理の規定がありますが、壁や床に用いる構造用合板、特にMDFやパーティクルボードの場合は必要ですか。。
- A7
- 本告示第9第一号ハでは、地面から1m以内の構造耐力上主要な部分(床根太及び床材を除く。)に使用する木材に有効な防腐措置を施すとともに、必要に応じて、防蟻措置を講ずることとなっています。防蟻の措置は建設地域の実情を考慮して適切に実施する必要があると思われます。なお、ご質問の構造用合板、MDF及びパーティクルボードについても本規定の適用を受けます。ただし、本規定の範囲外に使用する木材であっても、令第37条(耐久性等関係規定)に基づき、必要に応じて耐久性に留意した措置を施すことが必要です。
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- Q8
- 薄板軽量形鋼をカットした場合の小口の耐久性についてはどのように考えればよいのですか。
- A8
- 薄板軽量形鋼は、亜鉛系の表面処理が施されていますが、小口はめっきによって被覆されておらず母材の鋼が露出しています。ところが実際は2.3mm未満の薄板軽量形鋼では、小口近傍の亜鉛が鋼より先に腐食する「犠牲防食作用」が働き、小口からの腐食は抑制されます。仮に露出していることを最も厳しく見て、小口を表面無処理鋼材と考えた場合でも、その腐食量は、「鉄骨造建築物の耐久性向上技術」(建設大臣官房技術調査室監修)に示されている計算式で算出できます。これによると、屋外環境下での腐食量は年間0.05mmで、屋内ではその1/7(屋内での腐食量の屋外に対する比)です。たとえば20年後の腐食量は、0.05×1/7×20=0.14(mm)と非常に小さいものです。以上から、小口における鋼の腐食が構造耐力に影響するおそれはなく、特に小口を補修しなくても耐久性上問題がないと思われます。
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- Q9
- 耐久性等関係規定は告示第10で規定している第2第一号と第9の規定のみですか。基礎の部分はどうですか。
- A9
- 本告示第10の規定のほか、一般の建築物と同様に令第36条から第37条並びに第38条第1項、第5項及び第6項が耐久性等関係規定となります。たとえば、基礎については令第38条及び関連告示(平成12年告示第1347号)に定める構造方法によることとなります。
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- Q10
- 耐震要素の荷重−変形関係において、著しく終局変形角の異なる面材の組合せとなる場合、Ds値はどのように評価するのですか。
- A10
- たとえば、次のいずれかの方法によって評価することができます。
(1)すべての耐力壁の終局変形角を、終局変形角が最も小さい耐力壁に合わせて設定し、Ds値を評価する。
(2)Ds値を基に設計した建物全体を地震応答解析等で検証し、すべての耐力壁の終局変形角を超えないことを確認する。
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- Q11
- 枠組壁工法の床根太に薄板軽量形鋼を使用する場合、構造計算は必要ですか。枠組壁工法のようなスパン表で検討してもよいのですか。
- A11
- 平成13年告示第1540号(枠組壁工法技術基準)第4第九号ホにより、令第82条第一号から第三号までに定める構造計算が必要です。
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- Q12
- 薄板軽量形鋼造建築物の専用構造設計ソフトや施工の手引き書のようなものはあるのですか。
- A12
- 設計マニュアルや施工マニュアルについては、スチールハウス協会で整備しておりますので、そちら
へお問い合わせください。
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- Q13
- 耐火建築物に関する記載がありませんが、スチールハウスでは耐火建築物の性能を有することはできないと判断されているためですか。技術的観点から、その問題点はなんですか。
- A13
- 一部の鉄鋼会社で耐火構造の認定を取得しておりますので、スチールハウス協会へお問い合わせください。
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- Q14
- 薄板軽量形鋼造は防火被覆することで、耐火建築物として建築することは可能ですか。
防火地域において3階建共同住宅を建築できるのですか。可能な場合、どのような構造の組合せないし、工法が考えられるのですか。
- A14
- 一部の鉄鋼会社で耐火構造の認定を取得しておりますので、スチールハウス協会へお問い合わせください。なお、防火避難計画や、異なる部位の取り合いに関する防耐火設計は、本解説書が参考となります。
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- Q15
- 板薄板軽量形鋼造において水平力を鋼製ブレースで処理し、延焼のおそれのある部分の外壁を防火構造、開口部を防火設備等にした場合、ロ準耐−2に該当しますか。
- A15
- 木質系の構造用面材の替わりに鋼製のブレースを使用して防火構造の外壁とする場合も大臣の認定が必要となります。延焼のおそれのある部分の外壁を防火構造、開口部を防火設備として準耐火建築物とするには、令第109条の3第二項に規定される技術基準を満足する必要があります。
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- Q16
- スチールハウスは防火上は建築基準法でいう木造扱いと理解してもよいですか。
- A16
- 主要構造部に平成13年国土交通省告示第1641
号の第5に示す構造用合板等(可燃材料)を用いる場合、防耐火上は鉄骨造ではなく、また、木造扱いでもない法第23条に規定する『木造建築物等』に該当します。従って、基準法上は法第23条の他、24条、25条及び62条第2項の制限が課せられることになります。
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- Q17
- 準防火地域に建築する戸建3階建500m2以下は、準防火地域に建築する木造3階建に準じればよいのですか。
- A17
- この場合、建築基準法では、耐火建築物、準耐火建築物にするか、又は外壁等に令第136条の2に定められる防火上必要な技術的基準を満たすことが求められます。(法第62条第1項)この令第136条の2に該当する規定は木造のみに関して数多くの実験研究により性能が確認された規定であり、薄板軽量形鋼造での建築物は適合範囲外とされています。従って本規定に適合させるためには、昭和62年告示第1905号に基づく大臣認定が必要です。
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- Q18
- 45分準耐火建築物において、開口部についての規定はなんですか(延焼のおそれのある部分も含む)。
- A18
- 法第2条第九号の三に規定されます。
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- Q19
- 耐力壁の間仕切壁で上張りせっこうボードは、上枠から下枠まで1枚で張らなければならないのですか。また、たて枠にタッピンねじで接合する必要があるのですか。上張りせっこうボードを接着剤とくぎを併用して接合することは可能ですか。
- A19
- 防耐火性能上は上張り、下張りいずれのせっこうボードも1枚で張る必要はありません。下張りせっこうボードについては、構造耐力上1枚で張る仕様の耐力壁とした場合は1枚で張ることとなります。接着剤とくぎを併用する接合等、構成材料を変更する場合や構造方法を変える場合は、指定性能評価機関における試験および耐火性能評価を受け、大臣認定を取得する必要があります。
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- Q20
- 天井下地材は建築用鋼製下地材(LGS)とすることができますか。また、89CN10はファイアストップに代用できますか。
- A20
- 天井下地材は認定を受けた床の仕様に従う必要があります。鋼製のL型アングルや、厚さ30mm以上の木材の他に上下枠材に使用する89CN10等もファイアストップとして使用できますが、天井のせっこうボードと壁のせっこうボードの取り合い部分にファイアストップとして設置する必要があります。
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- Q21
- 天井裏や小屋裏を経由して隣接住戸に伝わる音について、床衝撃音(軽量および重量)を加えた場合の、階下ではなく、斜め下、斜め上の住戸への音の伝わり方のデータはありますか。
- A21
- 斜め方向への伝搬音に関するデータはありません。
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- Q22
- 旧法第38条に基づくスチールハウスでは、外断熱仕様になっていたと思いますが、告示には、断熱の仕様についての規定はありますか。
- A22
- 本告示は薄板軽量形鋼造の構造方法に関する技術的基準であり、断熱についての規定は定められていません。また、本解説書でも触れていません。しかしながら、建築物の断熱(省エネルギー)性能や防露性能を確保することは必要であり、構造方法に応じて適切に実施すべきであると考えます。
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- Q23
- 断熱工事を内断熱(硬質ウレタン吹き付け)で実施したいのですが、断熱に関する規定はあるのですか。
- A23
- A22.をご参照ください。
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- Q24
- 枠組壁工法の住宅で、床根太のみを薄板軽量形鋼造に置き換えた場合(床版の外周部や開口部周りの端根太、側根太はランバー材で構成)に、外壁は外張り断熱にする必要があるのですか。
- A24
- 住宅の性能を確保する上で適切な工法を選択して実施する必要があります。建設地の温湿度条件等を考慮の上、断熱性能、防露性能等が確保できるのであれば方法は問われません。
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