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その他
A 3-1
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溶接の初層で下柱と裏当て金の溶接が困難になります。溶接で下面を盛り上げてから本溶接することになりますが、完全な溶接を行うことが困難になるとともに、溶接部の超音波探傷試験で初層近傍の欠陥を調べることが困難となります。裏当て金の隙間は1mm程度に抑えることを推奨します。
A 3-2
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冷間コラムの溶接部は主として、柱とダイアフラム及び柱−柱継手です。パネル部と柱シャフト部で板厚が異なる場合において、角部での小さな食い違いは避けられませんが、平坦部は正しい罫書き、組み立てで食い違いはかなり回避できます。柱−柱継手では、同一断面材が使用される場合がほとんどですが、節が異なるため同一断面材でも異なる材料から製作されることが多いようです。下の柱と上の柱は同一部材から切断し、切断面を溶接できるように、上の部分の柱と下の節の柱を加工するときに準備しておくことが望ましい方法です。シーム溶接線も上下の柱で揃えた方が、精度が確保できます。
A 3-3
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CO2溶接での最適ガス流量は、溶接中アークに空気の巻き込みが発生するのを防止するための流量が必要で溶接ノズル径、使用する溶接電流および溶接トーチと被溶接面距離により異なります。溶接ノズル径が大きくなるほど、溶接電流が大きくなるほどガス流量を多くする必要があります。また溶接トーチと被溶接面距離は、30mm以下にする必要があり、それ以上の場合空気巻き込みを防止するためには50〜100l/min.位のガス流量が最低必要になります。一般的に使用されている溶接トーチで、使用されている電流が500A以下の場合、最低ガス流量はJASS6に示してあるとおり20l/min.であり、25l/min.以上が望ましいと思われます。最大ガス流量は、経済性を無視すれば100l/min.も可能であり、この流量で施工している工場もあります。
A 3-4
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角部は冷間塑性加工の影響で、材質が変化しています。入熱等において適切な溶接が行われれば、熱影響部の材質が改善されます。しかし溶接止端部の応力集中部分で延性亀裂が発生し、進行すると脆性破壊が発生する可能性があります。溶接部分の応力状態などに対応して溶接部で破断しないことを確かめた上で角部への溶接を行う配慮が必要です。
A 3-5
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溶接入熱量とパス間温度については諸説がありますが、大臣認定の但し書きの値は少し厳しすぎるとの評価もあります。「冷間マニュアル改訂版」の扱いについては、個々の行政庁等による判断となりますが、図書省略のための条件についても個々の行政庁等に確認する必要があります。
A 3-6
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NBFW法はCO2多層溶接の最終層の積層パスを工夫するだけで優れた塑性変形性能を持った鉄骨が得られる施工方法です。NBFW法の性能は、NBFW法の適用の有無による溶接部強度、曲げ、硬度、靭性等の性能確認試験、組織検査、及び数十体の実大の柱はり接合試験体による繰り返し曲げ実験により評価しております。その結果、一般の溶接法の場合、クラックパスが熱影響部の脆化部を通過するかしないかで塑性変形性能にバラツキが生じるが、NBFW法を適用すれば一般の溶接法と比較し、より安定し優れた塑性変形性能が得られることが判明しております。
A 3-7
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溶接施工状態(NBFW法)が最も重要であり、そのポイントはビードUとビードT(冷間マニュアル改訂版 p.133参照)の施工管理です。その他の施工管理は、通常のBCP325と変わりません。溶接工も若干の教育のほかは特別の技量資格も必要ないと思います。
A 3-8
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日本鉄鋼連盟ボックスコラム委員会に共通のBCP325Tを適用した場合の鉄骨製作標準が準備されています。施工前に、この鉄骨製作標準に基づき 各BCP325T製造メーカーから鉄骨製作者に対し、溶接施工方法の説明を行います。
A 3-9
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溶接ロボットメーカーが標準ソフトを準備することになります。ほとんどの溶接ロボットメーカーで標準ソフトが準備されていますが、詳細は、各ロボットメーカーにお問い合わせ下さい。
A 3-10
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限度見本は有りませんが、施工を行った外観写真は、各メーカーが持っていますのでお問い合わせください。
A 3-11
- グラインダー手直しは、可能です。ビードUとビードTの積層位置と溶接入熱が非常に重要な管理ポイントで、溶接部の施工が適正でなく、その結果としてオーバーラップや小さなアンダーカット等が発生した場合、グラインダー手直しが望ましい施工方法です。
- NBFW法の施工方法が適正でないケースは色々のケースがあり、一概に示すことが出来ません。基本的にNBFW法で施工が適正でない場合は、“はつる”のではなくもう1層付け加えることになると思います。
A 3-12
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割れ、ブローホール等の溶接欠陥の補修は、ビードUに欠陥が発生する以外は通常補修される方法となんら変わらずガウジングによる欠陥除去―開先清掃―最低2層以上の補修溶接で行います。標準的な施工方法は、「建築構造用高性能冷間プレス成形角形鋼管BCP325Tを用いた鉄骨柱構造の鉄骨製作標準」または「冷間マニュアル改訂版」に示されています。ガウジングによりビードUを除去する場合は、ビードUをガウジング除去後ガウジング上面の端部を基準に、ビードU、ビードTを積層します。また、このような補修を実施した場合でもNBFW法が適用されたことを確認できるように補修範囲、及び寸法を測定、記録しておきます。
A 4-1
- BCRはほぼ全国的に在庫販売されています。BCPは原則として受注生産となっています。メーカーにご相談下さい。
関連:Q 4-2
A 4-2
- BCRに関しては、ほぼ全国的に在庫販売が行われていますので、鋼材店に問い合わせて下さい。BCPに関しては、各メーカーにご相談下さい。
- 耐火鋼仕様の場合は、BCR、BCPとも受注生産となります。各メーカーにご相談下さい。
関連:Q 4-1
A 4-3
- BCRは、コラムの外面に「□」と「社章」などを交互に連続マーキングしており、STKRなどとの判別は可能です。
- また、製品ラベルおよびマーキングが施されており、製造業者、商品名、種類の記号、断面寸法、長さなどが記載されています。
- BCPに関しては、製品ラベルおよびマーキングにより判別が可能です。
- また、原則としてコラム内面側には、SN材の連続マーキングが施されています。
- BCR、BCPともミルシートが発行されます。
A 4-4
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2004年10月現在の状況を記します。
【BCR】
共英建材工業(株) |
:キョウエイコラムBCR |
JFE鋼管建材(株) |
:KKコラムBCR |
JFEスチール(株) |
:JFEコラムBCR |
ナカジマ鋼管(株) |
:NカラムBCR |
日鐵建材工業(株) |
:UコラムBCR |
丸一鋼管(株) |
:マルイチコラムBCR |
【BCP】
佐々木製鑵工業(株) |
:SKコラム−BCP |
(株)セイケイ |
:Pコラム−BCR |
ナカジマ鋼管(株) |
:NカラムBCR |
ニッテツコラム(株) |
:UコラムBCR Cコラム−BCP |
【テーパーBCP】
佐々木製鑵工業(株) |
:SKテーパーコラム−BCP |
(有)三和コラム |
:SANWA絞りコラム−BCP |
(株)セイケイ |
:Pテーパーコラム−BCP |
ニッテツコラム(株) |
:テーパーコア−BCP |
その他、詳細な内容に関しましては、「冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル(改訂版)」をご参照ください。
(ビルディングレター’04.4抜粋)*
:ビルディングレター’04.4に掲載された【平成15年9月改訂版「冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル」講習会における質問と回答】より抜粋。