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トピックス

  一般社団法人日本鉄鋼連盟 2025年新年賀詞交換会は、1月7日(火)正午からホテルニューオータニにおいて、武藤容治 経済産業大臣、加藤勝信 財務大臣、福岡資麿 厚生労働大臣、中野洋昌 国土交通大臣、赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、小林史明 環境副大臣をご来賓にお迎えし、今井正 会長〔日本製鉄社長〕、広瀬政之 副会長〔JFEスチール社長)、勝川四志彦 副会長〔神戸製鋼所社長〕、渡邉善之 副会長〔メタルワン社長〕、石谷誠 副会長〔伊藤忠丸紅鉄鋼社長〕が出席して開催され、1,300名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

2025年新年賀詞交換会 今井会長年頭挨拶

 新年明けましておめでとうございます。

 本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。年頭にあたりましてご挨拶申し上げます。

 昨年の経済環境を振り返りますと、日本経済は、新政権によりデフレ経済脱却・成長型経済への転換に引き続き最優先で取り組まれ、所得の増加、堅調な設備投資を背景に穏やかに成長が継続し、まだ一部に力強さは欠くものの、経済を持続的な成長軌道に導く明るい兆しが見えてきたと感じております。

 一方、世界経済は、成長の力強さを欠くなかで、米国新政権による米国ファーストの産業政策による米中対立の先鋭化とそれに伴う世界貿易・経済の混乱が懸念されるとともに、金融市場の不安定化、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の更なる緊迫化、中国経済低迷の長期化と混迷を深めた年でありました。
 
 このような中、鉄鋼業界では、エネルギー価格の高止まり、中国経済低迷に伴う鉄鋼需給バランスの悪化、人手不足による経済活動への影響などにより厳しい事業環境が続きますが、成長と分配の好循環の実現に積極的に貢献し、業界が持続的な発展を続けられるよう、当連盟としての最重要課題を申し上げたいと思います。

 第一に脱炭素化の推進です。
 GI基金による研究開発支援、GX移行債による設備投資支援、戦略分野国内生産促進税制など、脱炭素化をけん引するための様々な支援措置について改めて感謝申し上げます。
 更に、昨年末には、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、GX2040ビジョンのそれぞれの案が公表されております。
 経済活動の根幹となるエネルギー政策については、GXやDXの進展に伴い、今後電力需要が拡大すること、また国際的な政治経済の情勢が不透明であること、脱炭素化のための革新的技術の難しさ等も考慮し、前回のエネルギー基本計画では「環境適合」に過度に傾注していた部分が見直され、「安定供給」、「経済効率性」の重要性を改めて捉え直した現実的な計画案が示されたことを評価致します。本計画で掲げられた方針が、具体的な政策として早急に推進されるよう願っております。
 また、GX2040ビジョン案ではGX市場創造について、グリーン購入法による公共調達の推進や、民間調達を進めるための支援措置を具体化していくことが示されたことは、初期需要創出のための力強い政策シグナルを打ち出して頂けたと受け止めております。今後、グリーンスチールの供給量の拡大に見合う市場規模の拡大と適切な環境価値の実現に向けて、インパクトのある施策の具体化が更に進むことを期待致します。
 鉄鋼業界としては、揺れ動く国際情勢も注視しつつ、我が国経済の発展への寄与と自らの競争力の維持強化に努めながら、脱炭素化の推進に注力して参りますので、今後取りまとめられる一連の政府方針が、産業政策に立脚した具体的施策として着実に推進されるよう強く期待しております。

 第二に、「最近の通商動向」について申し上げます。
 中国の需給ギャップに起因する鋼材輸出増大や、過剰生産能力問題の拡大等の国際市場の攪乱要因により、鉄鋼貿易や国内鉄鋼市場を取巻く環境は非常に厳しく、鉄鋼業の脱炭素化の推進、内外需要家に対する安定供給への影響も危惧される状況にあります。
 こうしたなかで、鉄連としては、官民による二国間鉄鋼対話の定期開催に向けて日本政府と連携し、相互理解による通商摩擦の未然防止を図るとともに、過剰能力問題についてはグローバル・フォーラムをはじめ政府による課題解決に向けた多国間での取組みを今後とも支援してまいります。
 また、米国の新政権発足による通商政策の変更、EUなどでみられる環境と通商を関連付けた政策動向など鉄鋼貿易を巡る情勢の的確な把握に注力し、あるべき通商政策のあり方について日本政府ともご相談するなど、適切な対応に努めてまいります。

 最後に、「安全対策の推進」について申し上げます。
 鉄鋼連盟では、安全を最重要課題の第一にあげ、「安全は全てに優先する」という揺るぎない基本理念のもと、“重大災害ゼロ”の達成に向けて、労働災害の未然防止に資する様々な安全活動を実施し、安全衛生活動の一層の水準向上を図って参りました。
 2024年の重大災害の発生件数は、低位ではあるものの、重大災害の発生をくい止めることはできませんでした。
 当連盟では、引き続き作業現場に潜む如何なるリスクも見逃すことなく、死亡災害を発生しない、発生させないことを最優先に位置付け、行政とも連携しながら、直営・協力会社が一体となった安全衛生活動を推進してまいる所存です。

 日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んでまいります。
 この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせていただきます。
 
 ご静聴、有り難うございました。


今井会長


渡邉副会長


武藤経済産業大臣


加藤財務大臣


福岡厚生労働大臣


中野国土交通大臣


赤澤内閣府特命担当大臣(経済財政政策)


小林環境副大臣

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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