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鉄鋼CO2排出量・原単位計算方法ISO14404シリーズの活用に向けたガイダンス規格(ISO14404-4)発行について

 2020年12月21日、日本が主体となって開発を行った、あらゆる製鉄所に適応可能なCO2排出量・CO2排出原単位の計算方法の国際規格が「ISO14404-4」として発行されました。

 ISO14404は特別な計測機器等を必要とせず、粗鋼生産量、原材料購買量・販売データなど通常の操業データのみで簡単に製鉄所のCO2排出量・原単位を計算できるという特長があり、2013年3月に高炉一貫プロセス(ISO 14404-1)と電炉プロセス(ISO 14404-2)、2017年6月に還元鉄電炉プラント(ISO 14404-3)の計算方法が国際規格として発行されていました(以下ISO14404シリーズとする)。

 当連盟では、地球温暖化対策として、我が国の世界最高水準の省エネ技術を新興国を中心に移転・普及する事を目指して活動を行ってきました。新興国に日本の設備や技術導入を促すには、省エネ技術の導入に関心がある製鉄所のCO2排出量などの現状を把握するのが前提であり、ISO14404シリーズは重要な役割を果たしてきました。例えば、当連盟はこれまでインド、東南アジア6か国の延べ26製鉄所において、ISO14404シリーズを活用して、省エネ診断を行い、エネルギー消費実態を明らかにし、最適な省エネ技術を推奨する、という国際協力事業を実施してきました。他方、一部では複雑な構成の製銑・製鋼プロセスを有する場合があり、これらにはどのISO14404シリーズを適用すべきかの判断が難しい、という課題も見つかりました。この解決のため、ISO14404-4は、それぞれの製鉄所にどのISO14404シリーズを適応すべきかを判断するガイダンス規格、として開発が進められました。

 今般のISO14404-4の発行により、これまで計算の対象とされてこなかった高炉一貫プロセス(ISO 14404-1)、電炉プロセス(ISO 14404-2)、還元鉄電炉プロセス(ISO 14404-3)以外の複雑な構成の製鉄所や東南アジアに多い半製品を外部から調達する圧延専業メーカーなどの、CO2排出量・排出原単位の計算が可能となり、地球温暖化対策の基礎となる現状把握に大きく寄与することが期待されます。

 当連盟は日本政府との協力により、今後もインド、東南アジアなどの新興国を中心に、省エネ・環境保全分野における協力を推進し、我が国の省エネ・環境保全技術の移転を促進することにより、地球規模での温暖化対策に貢献してまいります。


本件に関するご連絡/お問合せ先:
一般社団法人日本鉄鋼連盟  技術・環境部 地球環境グループ 
TEL 03-3669-4837

 

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