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  一般社団法人日本鉄鋼連盟 平成31年新年賀詞交換会は、1月7日(月)正午からホテルニューオータニにおいて、柴山 昌彦 文部科学大臣、根本 匠 厚生労働大臣、原田 義昭 環境大臣、高階 恵美子 厚生労働副大臣(高は「はしごだか」)、あきもと 司 環境副大臣、滝波 宏文 経済産業大臣政務官をご来賓にお迎えし、柿木 厚司 会長〔JFEスチール社長〕、進藤 孝生 副会長〔新日鐵住金社長〕、山口 貢 副会長〔神戸製鋼所社長〕、堀江 誠 副会長〔住友商事専務執行役員〕、竹部 幸夫〔三井物産専務執行役員〕が出席して開催され、約1,400名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

平成31年新年賀詞交換会 柿木会長年頭挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。
 昨年の日本経済は、大規模自然災害による甚大な影響はあったものの、良好な雇用環境を受けて個人消費が持ち直し、企業業績の改善により設備投資も増加した結果、緩やかな回復傾向が続きました。
 一方、世界経済も、米中の貿易摩擦や地政学的なリスクによる不透明感はあるものの、堅調な成長が持続しました。
 こうした状況のもと、日本の鉄鋼需要は、東京オリンピック・パラリンピック建設案件も本格化し、自動車・産業機械などの製造業向けも好調に推移しました。

 このような情勢のもと、当連盟としての課題認識、主な取り組みについて五点、申し上げたいと思います。

 

 第一に、「安全衛生活動の一層の深化」について申し上げます。
  鉄鋼業界では、安全を最重要課題の第一に位置付け、「安全は全てに優先する」との基本理念を掲げています。この理念のもと、本年も労働災害の未然防止に向けた取り組みを着実に推進していきます。
 当連盟では、安全対策について、共通の指針やマニュアルを作成し、全国大会や分科会を通じて、会員各社の直協一体でのレベルアップを支援していきます。また、引き続き「製造業安全対策官民協議会」に積極的に参画し、業種横断的に得られた知見を会員各社にフィードバックすることで、安全衛生活動の一層の深化を図ってまいります。

 第二に、「世界的な過剰生産能力の問題と通商摩擦」について申し上げます。
 主要製鉄国の政府間協議の場として発足した「グローバル・フォーラム」では、これまで2年間で精力的な活動が行われてきました。この結果、鉄鋼需給環境は大きく改善し、この問題を多国間で解決する取り組みが効果的に機能してきております。
 これまでの日本政府関係者のご尽力に敬意を表するとともに、本年は議長国として、グローバル・フォーラムの活動継続に向け、議論を主導して頂きますよう強く望みます。当連盟としても日本政府と歩調を合わせ、最大限の協力を惜しまない所存です。
 また、中国における鉄鋼業の構造調整は、この2年間で大きく進展しました。当連盟では、日中二国間の枠組みにおいても、今後とも可能な限りの協力を継続実施していく所存です。

 一方、昨年は鉄鋼・アルミ製品に対する米国の通商拡大法232条に基づく関税の措置に端を発し、各国で鉄鋼貿易への保護主義的な動きがみられ、世界経済に対する悪影響が懸念されています。当連盟は、政府主催の鉄鋼対話等を通じ、主要国・地域との相互理解の促進と、信頼関係の強化を引き続き図ってまいります。

 今後とも、こうした活動を通じ、通商摩擦の未然防止と早期解決、健全な自由貿易の確立に向けた取り組みを推進し、鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けて努力してまいります。

 第三に「地球温暖化対策とエネルギー問題への対応」について申し上げます。
 当連盟は、地球温暖化対策への取組みとして、昨年に「ゼロカーボンスチールへの挑戦」という長期ビジョンを打ち出しました。鉄鋼業として、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための方向性を示すものであります。これは日本の長期戦略において「環境と経済成長との好循環を実現」する視点や、「成長戦略として」長期戦略を策定するという方向性とも合致するものです。
 経済産業省におかれましては、国内の温暖化対策の議論に対し、成長戦略やイノベーションの視点から議論をリードして頂くことを期待します。
 また、エネルギー問題への対応については、昨年、「第5次エネルギー基本計画」が策定されましたこと、関係者の皆様の多大なご尽力に改めて御礼申し上げます。
 このなかで、国民負担の拡大が顕著なFIT制度について、「2020年度末までの間に抜本的な見直しを行う」ことが明記されています。日本のエネルギー政策の基本である3E+Sの概念のもと、日本の持続可能な発展を促すべく、可及的速やかな見直しに向け、思い切った制度転換が行われることを期待いたします。

 第四に、税制関係について申し上げます。
 平成31年度の税制改正において、本年10月の消費税率の引上げに伴う需要変動を平準化するための措置等が講じられます。
 一方、企業の実質的な税負担の軽減という観点から、欧米諸外国で税率引下げが進んでいることも踏まえ、法人税改革や償却資産に対する固定資産税の見直しが課題として残されています。
 わが国企業の国際競争力の維持・強化に向け、イコールフッティングを実現する政策の推進をこれからも訴えてまいります。

 第五に、国土強靭化関係について申し上げます。
 大規模自然災害への対策として安全・安心に資する「鋼構造」の役割は、益々高まっております。当連盟としても、政府が今後3年間集中して進める「国土強靭化」の緊急対策に対し、鋼構造技術・工法の更なる普及に向け、より積極的な活動を展開していきたいと考えております。

 以上、課題認識、主な取り組みについて五点申し上げました。

 2019年は国内外ともに経済環境は、比較的堅調な見通しではあります。しかしながら、米中間の通商摩擦などによる景気減速のリスクは拭えず、依然不透明な状況であります。当連盟では、こういった予測が難しい時代においても、自らの実力を磨き上げ、変化に迅速に、柔軟に対応できるよう取り組んでまいります。

 日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んでまいります。この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせていただきます。


柿木会長

堀江副会長

原田環境大臣

根本厚生労働大臣

柴山文部科学大臣  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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