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 一般社団法人日本鉄鋼連盟 平成25年新年賀詞交換会は、1月7日(月)正午からホテルニューオータニにおいて、赤羽一嘉 経済産業副大臣、甘利明 内閣府特命担当大臣、石原伸晃 環境大臣をご来賓にお迎えし、友野宏 会長〔新日鐵住金社長〕、林田英治 副会長〔JFEスチール社長〕、佐藤廣士 副会長〔神戸製鋼所社長〕、松岡直人 副会長〔メタルワン社長執行役員兼CEO〕、牛野健一郎 副会長〔伊藤忠丸紅鉄鋼社長〕が出席して開催され、約1,600名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

平成25年新年賀詞交換会 友野会長年頭挨拶

 

 皆様、新年明けましておめでとうございます。

 本日は、色々とご多忙の中を、日本鉄鋼連盟の新年の賀詞交換会に、多数のご臨席を賜りました。誠に有難うございます。

 また、日頃から経済産業省をはじめ関係機関の皆様にはご指導を賜っておりまして、改めて厚く御礼申し上げる次第でございます。年頭にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 まず昨年を振り返りますと、世界経済の成長にブレーキがかかったということ、そしてわが国におきましても、エネルギーの供給不安、あるいは円高などの、いわゆる「六重苦」が解消されずに、製造業は世界の競合他社との非常に不利な競争を強いられた一年でありました。さらに、これに政治、外交リスクが加わる事態となっている、ということであります。また、原発の再稼働に目途がたたない中で、電気料金の大幅な値上げ、これは電気炉業界にとっては廃業勧告に近いインパクトがあります。鉄鋼業にとって大きな足かせになっております。こうした中で、昨年は、鉄鋼業の世界的な競争力の強化に向けた動きとして、新日鐵住金と日新製鋼ホールディングスが誕生したという年でもございました。

 そして、昨年末の衆議院の議員選挙で自民党が圧勝をして、安倍内閣が誕生したということで、新政権には、課題山積の状況を打開する、「決めるべきものを決めて、実行する政治」を期待したいと思います。

 さて今年でございます。この足元、2012年度の我が国粗鋼の生産量は、1億600万トンから1億700万トン程度を見通しております。2013年度は、これをやや下回る水準とみております。経営環境は、昨年同様に厳しい状況が続くというふうにみております。新政権に、経済対策をタイムリーに実行していただいて、2013年度の粗鋼生産量が2012年度と同水準まで上向くことを期待したいと思います。

 こうした状況の中で、鉄鋼業全体が取り組むべきことは何か、ということでございます。外部環境にかかわらず、まず、自らやるべきこと、すなわち「技術、商品の絶えざる開発」、そして「コスト競争力の追求」、これを徹底的にやって、鉄鋼の需要家の皆様のご期待に沿うことだというふうに考えております。

 まず、徹底的にやるべきことの第一、「技術、商品の絶えざる開発」につきましては、お客様や社会のニーズに応える技術あるいは製品で、常に世界をリードする、ということであります。足元の色々な課題は当然でございますけれども、長期の視点での取り組みの例として、環境調和型の製鉄プロセス技術開発、「COURSE50」と呼んでおりますが、これが挙げられます。これは、高炉製鉄炉をベースとして、CO2の負荷を30%低減できるという画期的な秘術であります。第二番目が、コスト競争力の追求、これについては、我が国鉄鋼業が世界と競争して勝ち抜いていって、鉄鋼の需要家の皆様のお役に立てるように徹、底的にやっていかなければならないというふうに考えております。

 ということで、自らやるべきことは、我々はしっかりと実行する、その上で、国際競争を勝ち抜くための事業環境の改善について、政府をはじめとする関係各方面に対して要望をしてまいりたいと考えております。その根幹は、イコールフッティング、すなわち、同じ土俵で世界と競争させて頂きたい、ということであります。そのための課題を四点、申しあげたいと思います。

 一点目、電力の問題であります。電力をはじめとするエネルギーは、ものづくりの根幹であります。当鉄鋼連盟といたしましては、安全を確保した上で、それなりのウェートの原子力発電を再稼働させない限り、日本経済は立ち行かないというふうに考えております。冷静に現実を見据えた合理的なエネルギーミックスを取り戻していただくように、求めてまいります。

 二番目が、為替であります。政治からの強いメッセージもあって、超円高は幾分持ち直しつつはありますけれども、わが国経済のファンダメンタルズを反映した水準には、まだ及ばない状況であります。政府におかれましては、円高是正効果が見込まれる政策を総動員していただいて、市場に対して確固たるメッセージを発信していただくことをお願いしたいと思います。

 三つ目が、世界との経済連携の推進、ならびに秩序ある鉄鋼貿易の発展に向けた取り組みであります。政府におかれましては、TPPや日中韓FTAなど、広範囲かつ信頼度の高い貿易・投資体制の構築に向けた取り組みをぜひ推進して頂きたいと思います。また昨今、緊急輸入制限措置の発動など、保護貿易の動きが世界的に拡がっております。今後とも、海外諸国との対話を通じて鉄鋼市場に対する相互理解を深め、官民が一体となって健全なマーケット形成を目指してまいりたいと考えております。

 四つ目が、税制面での対応であります。まさにイコールフッティングの精神で、国際標準に見合った法人税率や税制の整備、これを実現して頂きたいと思います。

 以上の四つの課題は、いずれも安倍新内閣が最重要課題として位置付けておられる、経済再生の基本方針でもあります。実行を期待しています。

 日本鉄鋼業は、自らやるべきことを徹底的にやった上で、世界と同じ土俵にたたせて頂ければ、環境の先進性をはじめ、世界の経済、社会の発展に大きく貢献することができ、鉄鋼の需要家の皆様のご期待に沿えると確信をしております。今後も、鉄鋼連盟をはじめとする業界団体に対しまして、ご支援とご協力を賜りますようにお願いを申し上げます。最後になりますけれども、皆様のますますのご発展とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。ご清聴ありがとうございました。


 

  

 友野会長                                       松岡副会長

 

  

 赤羽経済産業副大臣                               甘利内閣府特命担当大臣

 

 

 石原環境大臣

 

 

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