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平成24年関西地区新年賀詞交換会

 一般社団法人日本鉄鋼連盟 平成24年関西地区新年賀詞交換会は、社団法人鐵鋼會館、大阪鉄鋼流通協会、関西コイルセンター工業会、全国厚板シヤリング工業組合大阪支部、大阪鉄商組合との鉄鋼6団体による共催で、1月6日(金)午前11時からリーガロイヤルホテルにおいて、長尾正彦 近畿経済産業局局長をご来賓にお迎えし、佐藤廣士 副会長[?叶_戸製鋼所社長]、松岡直人 副会長[?潟<^ルワン社長執行役員兼CEO]が出席して開催され、約700名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

≪平成24年関西地区新年賀詞交換会 佐藤副会長年頭挨拶≫

 皆様、明けましておめでとうございます。佐藤でございます。本日はご多忙のところ、関西地区鉄鋼新年賀詞交換会に多数のご参集を頂きまして、誠に有難うございます。日頃、日本鉄鋼連盟を始めとする各団体の活動に対しまして、暖かいご支援とご協力を頂いていることとあわせて御礼申し上げます。主催者を代表致しまして、一言、新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、東日本大震災を初めとして自然災害が非常に多く、混乱を極めた一年でありました。被災地の一刻も早い復旧・復興をお祈りするとともに、私たちも貢献してまいりたいと思います。

 一方、経済情勢につきましては、欧米での金融不安の再燃、世界経済の牽引役になっていた中国の成長が鈍化したほか、中東の政情不安なども加わり、非常に厳しい一年でした。
こうした中で、日本製造業は、超円高、高い法人税、自由貿易協定への対応の遅れ、労働規制、温室効果ガスに関する環境規制、電力の供給不安といった、いわゆる「6重苦」を抱え、グローバル市場の中で競争力を低下させております。日本政府には、国の根幹を成す製造業の艱難辛苦をご理解いただき、改善に向けての早急なアクションを取って頂くよう、強く要請したいと思います。

 次に、業界が直面する課題と、鉄鋼連盟の取り組みにつきまして、お話させて頂きます。
  最初に、「競争条件の均等化、いわゆるイコール・フッティング」の必要性についてお話しいたします。昨今、中国や韓国の急激な追い上げによって、鉄鋼の国際市場での競争が熾烈を極めておりますが、FTA交渉で先行する韓国などの国は、関税等の有利な輸出条件の下で、競争力を高めております。これは、自動車や電機製品といった最終製品から素材産業まで共通のものであり、我が国の鉄鋼製品の直接または間接輸出に大きな悪影響が出てまいります。

 政府には、国際市場で海外企業と公平な条件で競争できるよう、高い関税が残る国や地域とのEPAあるいはFTAの早期締結をお願いしたいと思います。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉も同様の趣旨で、早急に参加することを希望します。我が国の「かたち」をつくってきた「貿易」や「投資」を維持し、またいっそう強化していくためにご支援をお願いしてまいりたいと思います。

 二つめは、「地球温暖化問題」です。
  先月、南アフリカのダーバンで第17回気候変動枠組み条約締結国会議、いわゆるCOP17が開催されました。会議は、先進国や新興国の間だけでなく、先進国の中でも日本、EU、米国の思惑が入り乱れ、温暖化ガス削減へ向けた方向性を決めるのに難航いたしました。厳しい状況の下で、政府は、我が国の削減義務が2013年以降も京都議定書に沿って継続することに毅然として反対し、第2約束期間に参加しないことになったことにつきましては、まことに英断であり、深く敬意を表するものであります。今後、作業部会において、難しい国際交渉になることが予想されますが、政府には、これまでどおり、「すべての主要国が参加すること」、「公平性と実効性のある国際枠組みを構築すること」の2つの基本方針を貫いて頂きたいと思います。
  鉄鋼連盟は、今後も、CO2削減に向け、「3つのエコ」、すなわち、「製造工程の効率化を指すエコプロセス」、「高機能材の供給のことであるエコプロダクト」、「省エネ技術の新興国への普及を意味するエコソリューション」に取り組み、中長期的には、CO2削減の革新的技術開発である「COURSE50」を鋭意推進してまいります。

 技術の話になりましたので、東日本大震災の教訓を踏まえた「安全・安心な社会基盤づくり」についての取り組みをご紹介いたします。
日本鉄鋼業は、地震や津波に強い防災拠点ビルや人工地盤の構築に役立つ鋼構造技術、岸壁や防波堤の耐震補強工法などの技術を数多く持っております。これら世界的にも最先端を行く技術をご提案することで、地震や津波による被害を最小限に留める「安全・安心なまちづくり」の一翼を担いたいと考えております。

 さて、日本を取り巻く環境の変化は、益々スピードを上げ、かつ今まで想定しなかったことも数多く起きるようになってきております。本日お集まりのここ大阪でも府と市の関係が変革を遂げる様相を呈していますし、阪神タイガースも監督が代わり変化の兆しを感じさせています。我々鉄鋼業界でも、新日鉄さんと住友金属さんが経営統合される話が進んでおります。私たちにとりまして、「変化」が今年のキーワードであります。

 今年は辰年でありますが、「登り竜」という言葉があるように、日本経済が回復し、少しでも勢いが戻る足掛かりの年になることを願ってやみません。ただ、勢いを取り戻すためには、政府や自治体に頼るだけではなく、私たち自身が、変化を恐れずに前進や上昇をしていかなくてはなりません。皆様、是非一緒になって変化に対応すべく頑張りましょう。

  結びに、皆様におかれましては、鉄鋼連盟を始めとする業界団体に対しまして、今後とも倍旧のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様方のご発展とご健勝を心よりお祈りして、新年のご挨拶とさせて頂きます。本年もよろしくお願いいたします。

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