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新年明けましておめでとうございます。 本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。年頭にあたりましてご挨拶申し上げます。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災から10ヶ月が経過しようとしています。しかし、未だに不自由な生活を強いられている方が多数おられるなど、震災の及ぼす影響は今なお収束を見るに至っておりません。被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げます。
また、被災した鉄鋼連盟会員会社に対しまして、多くの心温まるご支援を頂戴しましたことに、この場をお借りしまして改めて心より御礼申し上げます。鉄鋼連盟は、引き続き、震災復興に関して最優先に対応して参る所存です。
さて、足元の経済状況は、欧州をはじめ先進諸国の景気減速が明確になり、アジア諸国では、相対的に堅調な成長が見込まれるものの、成長は鈍化傾向にあります。我が国においては、海外経済の減速に加え、超円高による輸出競争力の低下等により、製造業にとって極めて厳しい経営環境にあります。 この様な状況にあって、2011年度のわが国粗鋼生産量は、2010年度を下回る水準となることが予想され、欧州債務問題の深刻化等、海外経済の更なる下振れや円高の継続、また、電力の安定供給に対する不安等のリスク要因もあり、わが国鉄鋼業を取り巻く環境は益々厳しいものになると考えます。
しかし、私たちは、過去に幾度と無く重大な局面に遭遇し、難局を克服してまいりました。震災からの復興はもとより、私たちには、わが国の成長に資する経済基盤を築き、次世代へとつなげていく責任があります。以下、わが国鉄鋼業の国際競争力強化を主眼とした鉄鋼連盟としての課題認識、主な取り組みについて申し上げたいと思います。
第一に、為替の問題について申し上げます。 現状の為替レベルはわが国経済のファンダメンタルズを反映しないレベルにあり、企業のコスト削減等の努力で克服できる限界を超えた水準にあります。わが国製造業の海外シフトは加速しており、政府におかれましては、国内産業の空洞化を防ぐためにも、行き過ぎた円高是正に向けた実効ある対応をより強化して頂くことを切にお願い申し上げます。
第二に、イコールフッティングの実現です。 熾烈な国際競争に直面するわが国産業にとって、公平な競争環境の確立は必要不可欠です。政府におかれまして、環太平洋経済連携協定「TPP」の推進はもとより、引き続き、税制をはじめとした諸政策の拡充を図って頂くべく、鉄鋼業界としても、成長戦略に資する提言とその実現に向けて真摯に取り組んで参る所存です。
第三に、鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けた取り組みについて申し上げます。 わが国周辺諸国において、鉄鋼生産能力の増強が相次いでおりますが、通商問題回避のためにも、健全な貿易秩序の確立は極めて重要であると考えます。アジア地域における健全なマーケット形成に資するべく、鉄鋼業界としても様々な機会を通じて鉄鋼市場に対する相互理解の促進に最大限努力して参ります。
第四に、環境・エネルギー対策について申し上げます。 COP17において、様々な反論に与することなく、一貫して実効あるCO2削減の取り組みを提唱されたわが国政府の交渉姿勢に心から敬意を表します。 一方、国内政策に関しまして、東日本大震災を踏まえてエネルギー基本計画が抜本的に見直される中、エネルギー政策と表裏一体をなす地球温暖化対策の中期目標についても、当然見直されるべきであると考えます。 鉄鋼業界としましては、技術に基づく実効性ある対策を実施すべきという観点から、政府が推進されている二国間オフセットメカニズム等にも積極的に協力して参ります。
以上、課題認識、主な取り組みについて申し上げました。
日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んで参ります。この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。
本年は、震災復興が本格的な実行段階に入ります。鉄鋼業界としても、復興資材の供給はもとより、有効な技術や工法の提案を積極的に行って参ります。復興に際し、様々な先端技術を有するわが国製造業が貢献できることは少なくありません。資源の無いわが国にあって、日本を支えるのは技術を担うものづくり産業であるとの自負を今一度胸に刻み、皆様とともに力強く本年のスタートを切りたいと思います。
結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせて頂きます。ご静聴、有り難うございました。
林田会長 駒井副会長
枝野経済産業大臣
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平成24年新年賀詞交換会 林田会長年頭挨拶
新年明けましておめでとうございます。
本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。年頭にあたりましてご挨拶申し上げます。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災から10ヶ月が経過しようとしています。しかし、未だに不自由な生活を強いられている方が多数おられるなど、震災の及ぼす影響は今なお収束を見るに至っておりません。被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げます。
また、被災した鉄鋼連盟会員会社に対しまして、多くの心温まるご支援を頂戴しましたことに、この場をお借りしまして改めて心より御礼申し上げます。鉄鋼連盟は、引き続き、震災復興に関して最優先に対応して参る所存です。
さて、足元の経済状況は、欧州をはじめ先進諸国の景気減速が明確になり、アジア諸国では、相対的に堅調な成長が見込まれるものの、成長は鈍化傾向にあります。我が国においては、海外経済の減速に加え、超円高による輸出競争力の低下等により、製造業にとって極めて厳しい経営環境にあります。
この様な状況にあって、2011年度のわが国粗鋼生産量は、2010年度を下回る水準となることが予想され、欧州債務問題の深刻化等、海外経済の更なる下振れや円高の継続、また、電力の安定供給に対する不安等のリスク要因もあり、わが国鉄鋼業を取り巻く環境は益々厳しいものになると考えます。
しかし、私たちは、過去に幾度と無く重大な局面に遭遇し、難局を克服してまいりました。震災からの復興はもとより、私たちには、わが国の成長に資する経済基盤を築き、次世代へとつなげていく責任があります。以下、わが国鉄鋼業の国際競争力強化を主眼とした鉄鋼連盟としての課題認識、主な取り組みについて申し上げたいと思います。
第一に、為替の問題について申し上げます。
現状の為替レベルはわが国経済のファンダメンタルズを反映しないレベルにあり、企業のコスト削減等の努力で克服できる限界を超えた水準にあります。わが国製造業の海外シフトは加速しており、政府におかれましては、国内産業の空洞化を防ぐためにも、行き過ぎた円高是正に向けた実効ある対応をより強化して頂くことを切にお願い申し上げます。
第二に、イコールフッティングの実現です。
熾烈な国際競争に直面するわが国産業にとって、公平な競争環境の確立は必要不可欠です。政府におかれまして、環太平洋経済連携協定「TPP」の推進はもとより、引き続き、税制をはじめとした諸政策の拡充を図って頂くべく、鉄鋼業界としても、成長戦略に資する提言とその実現に向けて真摯に取り組んで参る所存です。
第三に、鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けた取り組みについて申し上げます。
わが国周辺諸国において、鉄鋼生産能力の増強が相次いでおりますが、通商問題回避のためにも、健全な貿易秩序の確立は極めて重要であると考えます。アジア地域における健全なマーケット形成に資するべく、鉄鋼業界としても様々な機会を通じて鉄鋼市場に対する相互理解の促進に最大限努力して参ります。
第四に、環境・エネルギー対策について申し上げます。
COP17において、様々な反論に与することなく、一貫して実効あるCO2削減の取り組みを提唱されたわが国政府の交渉姿勢に心から敬意を表します。
一方、国内政策に関しまして、東日本大震災を踏まえてエネルギー基本計画が抜本的に見直される中、エネルギー政策と表裏一体をなす地球温暖化対策の中期目標についても、当然見直されるべきであると考えます。
鉄鋼業界としましては、技術に基づく実効性ある対策を実施すべきという観点から、政府が推進されている二国間オフセットメカニズム等にも積極的に協力して参ります。
以上、課題認識、主な取り組みについて申し上げました。
日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んで参ります。この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。
本年は、震災復興が本格的な実行段階に入ります。鉄鋼業界としても、復興資材の供給はもとより、有効な技術や工法の提案を積極的に行って参ります。復興に際し、様々な先端技術を有するわが国製造業が貢献できることは少なくありません。資源の無いわが国にあって、日本を支えるのは技術を担うものづくり産業であるとの自負を今一度胸に刻み、皆様とともに力強く本年のスタートを切りたいと思います。
結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせて頂きます。ご静聴、有り難うございました。
林田会長 駒井副会長
枝野経済産業大臣