ホーム > ニュースリリース > 会長コメント > 日本鉄鋼連盟、特殊鋼倶楽部、ステンレス協会 3 団体会長連名によるコメント「中国における日本製ステンレス製品に対するアンチダンピング措置の終了について」
会長コメント
2024年7月23日 一般社団法人 日本鉄鋼連盟 会長 今井 正
一般社団法人 特殊鋼倶楽部 会長 清水 哲也
ステンレス協会 会長 井上 昭彦
中国商務部は、7 月 22 日、日本製ステンレス製品(ステンレス鋼鋼片、熱延コイル及び熱延鋼板)に対するアンチダンピング(以下 AD)措置を終了いたしました。 振り返りますと、日本鉄鋼業界は AD 調査への対応を通じ、中国の調査当局による認定や調査手続に瑕疵がある旨主張してまいりましたが、2019 年 7 月 22 日、中国商務部はこれらの主張を退け、日本からの対象製品の輸入による中国国内産業への損害を認定し、AD 措置を発動する旨の決定を下しました。 当該 AD 措置について、日本政府は中国政府に対し、世界貿易機関(以下 WTO)の場や二国間協議において措置の撤廃を繰り返し求めましたが、解決に至らなかったため、2021 年 6 月 11 日、WTO 協定に定められた紛争解決手続に基づく協議要請を行いました。同年 9 月 27日、WTO 協定との整合性に関するパネル審理が開始され、2023 年 6 月 19 日に紛争処理小委員会(パネル・第 1 審)が公表した最終報告書では日本政府の主張が認められ、中国政府に 対し措置の是正が勧告されました。勧告の履行期限である 2024 年 5 月 8 日経過後も、何ら是正されることなく当該 AD 措置は継続しておりましたが、今般、措置期限である同年 7 月 22 日経過により終了となりました。 当該 AD 措置の終了は、日本政府が WTO 協定に定められた紛争解決手続を申し立て、その主張が WTO パネルによって認められた成果といえます。さらに、WTO パネル審理中の 2023 年 3 月 10 日、実質的に機能停止している WTO 上級委員会の機能を補完する手段として、日本鉄鋼業界はじめ産業界からの要請も踏まえ、日本政府が MPIA(多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント)に参加する旨の決定を行ったことにより、本紛争案件が上級委員会に上訴されて事実上審議が保留される事態(いわゆる「空上訴」)を未然に防ぐことができ、問題の早期解決につながったものです。 日本鉄鋼業界は、今回の措置終了を歓迎するとともに、本件に関しこれまで多大なるご支援・ご協力をいただいた日本政府に厚く御礼申し上げます。
以上
本件に関するご連絡/お問合せ先: 一般社団法人 日本鉄鋼連盟 総務部 総務・秘書・広報グループ TEL:03-3669-4822
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日本鉄鋼連盟、特殊鋼倶楽部、ステンレス協会 3団体会長連名によるコメント
「中国における日本製ステンレス製品に対するアンチダンピング措置の終了について」
2024年7月23日
一般社団法人 日本鉄鋼連盟
会長 今井 正
一般社団法人 特殊鋼倶楽部
会長 清水 哲也
ステンレス協会
会長 井上 昭彦
中国商務部は、7 月 22 日、日本製ステンレス製品(ステンレス鋼鋼片、熱延コイル及び熱延鋼板)に対するアンチダンピング(以下 AD)措置を終了いたしました。
振り返りますと、日本鉄鋼業界は AD 調査への対応を通じ、中国の調査当局による認定や調査手続に瑕疵がある旨主張してまいりましたが、2019 年 7 月 22 日、中国商務部はこれらの主張を退け、日本からの対象製品の輸入による中国国内産業への損害を認定し、AD 措置を発動する旨の決定を下しました。
当該 AD 措置について、日本政府は中国政府に対し、世界貿易機関(以下 WTO)の場や二国間協議において措置の撤廃を繰り返し求めましたが、解決に至らなかったため、2021 年 6 月 11 日、WTO 協定に定められた紛争解決手続に基づく協議要請を行いました。同年 9 月 27日、WTO 協定との整合性に関するパネル審理が開始され、2023 年 6 月 19 日に紛争処理小委員会(パネル・第 1 審)が公表した最終報告書では日本政府の主張が認められ、中国政府に 対し措置の是正が勧告されました。勧告の履行期限である 2024 年 5 月 8 日経過後も、何ら是正されることなく当該 AD 措置は継続しておりましたが、今般、措置期限である同年 7 月 22 日経過により終了となりました。
当該 AD 措置の終了は、日本政府が WTO 協定に定められた紛争解決手続を申し立て、その主張が WTO パネルによって認められた成果といえます。さらに、WTO パネル審理中の 2023 年 3 月 10 日、実質的に機能停止している WTO 上級委員会の機能を補完する手段として、日本鉄鋼業界はじめ産業界からの要請も踏まえ、日本政府が MPIA(多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント)に参加する旨の決定を行ったことにより、本紛争案件が上級委員会に上訴されて事実上審議が保留される事態(いわゆる「空上訴」)を未然に防ぐことができ、問題の早期解決につながったものです。
日本鉄鋼業界は、今回の措置終了を歓迎するとともに、本件に関しこれまで多大なるご支援・ご協力をいただいた日本政府に厚く御礼申し上げます。
以上
本件に関するご連絡/お問合せ先:
一般社団法人 日本鉄鋼連盟 総務部 総務・秘書・広報グループ TEL:03-3669-4822