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会長コメント

COP17の結果について

2011年12月12日
一般社団法人日本鉄鋼連盟
会長 林田  英治

 12月11日に閉幕したCOP17において、「将来の枠組み」に関し新たに特別作業部会が設置され、遅くとも2015年中に作業を終え、法的効力を有する合意成果を2020年から発効させ、実施に移すとの道筋に合意したことは、日本政府並びに産業界が終始一貫して主張し続けてきた「全ての主要排出国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みの構築」と方向を同じくするものであり、一定の進展があったと評価しております。

 京都議定書の枠組みが継続されれば、我が国産業にとってイコールフッティングが阻害され、引き続き経済や雇用に甚大な影響を及ぼし、またエネルギー効率が劣位にある他の国での生産増加に繋がり、結果として地球規模のCO2排出増加に繋がります。 今回、厳しい交渉を経て、京都議定書については、第二約束期間の設定に向けた合意が採択されましたが、政府におかれましては、我が国の削減義務が2013年以降継続することに毅然として反対され、我が国が第二約束期間に参加しないこととなった点について、深く敬意を表するものであります。

 地球温暖化対策における中期削減目標について、我々は従来から、実現可能性、国民負担レベルの妥当性及び国際的公平性の観点から、科学的かつ客観的な検証と、それに基づく国民的議論を行い、目標(前提条件付きで90年比25%削減)を見直す必要があると主張してきました。
 さらに、今般の東日本大震災を踏まえ、来夏に向けてエネルギー基本計画が見直される中、地球温暖化対策もエネルギー政策と表裏一体で検討される必要があります。政府におかれては、今後、十分な国民的議論を行い、国民の理解と納得を得たうえで、中期目標の見直しを行っていただくよう強く期待いたします。

 我が国鉄鋼業界としては、京都議定書の延長如何に関わらず、今後とも、エコプロセス・エコプロダクト・エコソリューションを通じ、真に実効性のある地球温暖化対策に自主的かつ積極的に取り組んでいく所存です。特に、日本の優れた省エネ技術・製品等を途上国に移転し、地球規模での効果的な温暖化対策につながる「二国間オフセット・クレジットメカニズム」や「GSEP(エネルギー効率に関するグローバルパートナーシップ)」等を積極的に推進し、真に実効性のある温暖化対策の推進に努めていきたいと考えております。政府におかれては、こうした「技術」に基づく実効性のある国際貢献が国際的に正しく評価されるよう、今後の新たな枠組みの具体化に向けた国際交渉において引き続きリーダーシップを発揮していただくとともに、我が国が技術立国としてさらに発展するよう「環境と経済を真に両立させる」政策を実現されるよう願う次第です。


以上

本件に関するご連絡/お問合せ先:
一般社団法人 日本鉄鋼連盟総務本部 広報グループ  TEL:03-3669-4822

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