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講演要旨

講演要旨

建築構造用TMCP鋼材 溶接施工指針 第2版

  建築構造用TMCP鋼材(TMCP325,TMCP355)を対象にした、「建築構造用TMCP鋼材 溶接施工指針 第1版」を発行済みであるが、今回、建築構造用高性能550N/mm2鋼材(TMCP385)の施工指針も加え第2版を発行しました。TMCP385は、大臣認定時に付帯された各社の溶接施工指針は存在するものの、個社により予熱温度、溶接管理上限などの内容が異なるため、メーカーの鋼材毎に溶接施工指針を参照する必要があります。本指針は、TMCP385の利便性をより向上させることを目的として、溶接施工に関する一連の実験を行い、新たな知見を含め纏めたものです。指針改定の要点を報告します。

築構造用高強度鋼780N/mm2鋼材(H-SA700)利用技術指針 第二版

  超高強度鋼は、一般鋼に比べて溶接時の割れ防止のための予熱が必要となることや大入熱溶接が適用できないなどの溶接施工上の課題を抱えています。また、近年、超高層建物の下層階の主要柱には、高強度かつ大断面のCFT柱部材が用いられますが、超高強度材料を用いたCFT柱に対する構造設計法は構築されていませんでした。そのため、今回、超高強度鋼に超高強度コンクリート(〜Fc150N)を組合せた溶接組立箱形断面CFT柱を対象に、角継手をオーバーマッチング溶接だけでなくアンダーマッチング溶接とした柱部材・柱梁接合部パネルの構造性能に関する研究成果として設計法を取り纏め、本指針第二版に盛り込み、発刊しました。それらの内容について紹介します。

低強度溶接材料を用いた超高強度鋼(780N/mm2級)溶接組立箱形断面柱の溶接施工

  780N/mm2級超高強度鋼の溶接時には、溶接部の強度確保や割れ防止のため入熱を抑制した溶接が行われ、かつ予熱および後熱を行う場合も多く、この溶接施工性の低さが超高強度鋼の普及を阻害する要因となっています。
本報告では、低強度溶接材料の適用による超高強度鋼の溶接施工合理化を検討し,その期待効果、低強度溶接材料により組み立てられた鉄骨部材およびCFT 部材の各々の力学的挙動、低強度溶接材料を用いた溶接組立箱形断面柱の溶接施工試験について報告します。

鉄がサポートするこれからの公共建築物(庁舎設計例含む)

  現在、高度経済成長期に建設された多くの建築物が更新時期を迎えており、学校、庁舎などの公共建築物に於いても、改築・改修が進んでおります。公共建築物には、地域コミュニティーの中核機能や災害時の防災拠点機能など、様々な機能が求められます。また、人口動態や社会制度等の変化に伴い、求められる機能も変化して行きます。本講演では、公共建築物に求められる機能に対応した鉄骨造の特徴や実施例の他、建設コスト・居住環境に関する調査結果をご紹介します。

冷間成形角鋼管の溶接・加工品質向上と施工合理化に関する研究

 本研究は、鉄骨造建築物の柱材として最も多く使用されている冷間成形角形鋼管柱を対象に、溶接部の品質向上と施工合理化を目指すものです。具体的には溶接部の要求性能を数値解析及び構造実験等により明らかにすると共に、溶接部の保有性能を定量的に評価する手法をまとめ、これにより、鉄骨製作工場認定制度における性能評価基準の入熱量、パス間温度の管理値を緩和することを目的とします。さらに、柱端の溶接接合部に要求される性能を適切に評価することで、より一層の施工合理化を図る溶接条件を導出します。今回、研究会の成果として、冷間成形角形鋼管柱継手における溶接金属の強度と溶接止端形状の評価方法についてご紹介します。

リサイクル性を考慮した鉄鋼製品の環境負荷計算方法と環境ラベル

  鋼材はリサイクル可能な素材の優等生であり、その特性を活かした環境負荷計算方法の規格化も整備されました。一方、近年は地球温暖化対策への意識が世界中で高まり、あらゆる製品において環境影響に関する情報開示が求められています。ここでは、鉄鋼製品の環境負荷の考え方とこれを反映した環境ラベル(EPD)の評価基準や評価事例について紹介します。

建研・国総研における鉄骨造建築物に関する最近の研究

  本講演では、建築研究所及び国土技術政策総合研究所で現在実施している鉄骨造建築物に関する以下の3つの研究の概要を紹介します。
(1) 地震時の鉄骨造建築物の損傷検知
(2) CLT-鉄骨混構造建築物の構造実験と設計方針
(3) 鉄骨造建築物の間仕切壁に関する実験
  (1)は、建研で実施している梁端部の疲労性能評価式を用いた鉄骨造建築物の損傷検知の検討です。(2)は、国総研で実施している国交省総プロ「新しい木質材料を活用した混構造建築物の設計・施工技術の開発」における鉄骨造関連の検討です。(3)は、建研の課題及び鉄連の「鋼構造研究・教育助成事業」により実施している面内及び面外の外力の同時作用に着目した軽量鉄骨下地乾式間仕切壁の耐震性に関する実験です。

低層鋼構造建物の完全倒壊までの余裕度

  建築基準法の想定をはるかに超える地震の発生が危惧されるなか、建物が完全倒壊に至ることで取り返しようのない人的・物的被害が生じるまでに、どれほどの余裕を有するかを知ることは極めて有用なことと思います。そのような思いから,建築基準法に則って設計された鋼構造建物が完全倒壊に至るまでの過程をケーススタディーしたので、その一部を紹介します。

  講師・講演内容は変更となる場合があります。

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