ホーム > 各種ご案内 > 催し物のご案内 > 第6回「建築構造用鋼材と利用技術セミナー」 > 講演要旨・プログラム
日本鉄鋼連盟では、鉄骨造の健全なる発展と普及に資することを目的に、建築鋼構造を研究する大学・研究機関等の研究者で構成する建築鋼構造研究ネットワーク(幹事長: 多田 元英 大阪大学工学研究科建築工学部門 教授)を組織しています。 本講演では、開催地区毎に、同ネットワーク活動に参画されている方々に基調講演を行っていただきます。
先組みビルトH梁において、複合円型の改良型スカラップを用いても、梁端溶接部の脆性的な破断を防ぐことは困難です。この破壊形式は、これまでに系統的な研究が無く、破壊のメカニズムの解明を重要課題と考え、2014年に「BH研究会」が組織され、日本鉄鋼連盟の研究助成などを受け研究が開始されました。今回、研究会の成果として「先組みビルトH梁のサブマージアーク溶接施工ガイドブック」を刊行致しました。ガイドブックでは研究会を通じて得た以下の知見を提示しております。 (1)SAWの溶接材料・溶接施工法と溶接金属の靱性値の関係 (2)先組みBH梁の脆性破壊発生メカニズムとBH梁の塑性変形能力の関係 (3)不溶着部がBH梁の塑性変形能力に与える影響 (4)圧延H形鋼梁と同等の塑性変形能力となるために必要なSAW金属の靱性値 また、ビルトHのサブマージアーク溶接施工方法についても解説しております。今回は本ガイドブックの概要をご紹介いたします。
鉄鋼製品は製品寿命を迎えた後も、ほぼ全量がスクラップとして回収され転炉や電気炉でリサイクルされているため、その環境負荷はこのリサイクルを考慮して計算する必要があります。しかしこれまでは、その計算手法が確立されていないために、他素材製品と同様、資源採掘から製造までの部分のみで計算、評価されていました。世界鉄鋼協会(worldsteel)は、鉄鋼製品のリサイクルを含めた生涯環境負荷の算出法を確立し、日本鉄鋼連盟はこれを受けて国際規格、国内規格化を進めてきたところ、このたび、ISO 20915規格、およびJIS Q 20915として規格化されました。その考え方と規格の内容について紹介します。
本研究は、鉄骨造建築物の柱材として最も多く使用されている冷間成形角形鋼管柱を対象に、溶接部の品質向上と施工合理化を目指すものです。具体的には溶接部の要求性能を数値解析、及び、構造実験等により明らかにすると共に、溶接部の保有性能を定量的に評価する手法をまとめ、これにより、鉄骨製作工場認定制度における性能評価基準の入熱量、パス間温度の管理値を緩和することを目的とします。さらに、柱端の溶接接合部に要求される性能を適切に評価することで、より一層の施工合理化を図る溶接条件を導出します。本研究は、第1ステップとして2016年度から4ヶ年にわたり行われるもので、今回は、設計最大入熱を30kJ/cmと60kJ/cmとした溶接施工試験、及び、熱伝導解析結果についてご紹介します。
本講演では、建築研究所及び国土技術政策総合研究所において実施している鉄骨造建築物に関する研究について紹介します。
建築研究所では、平成28〜30年度の建築研究所の指定課題として「過大入力地震に対する鋼構造建築物の終局状態の評価手法と損傷検知に関する研究」を実施しました。この研究では、地震に対する鉄骨造建築物の梁端部及び骨組の終局限界性能等を明らかにするための実験、解析等の研究を行いました。ここでは、それらの検討の中の、鉄骨梁端部の多数回繰り返し載荷実験、鉄骨造骨組の振動台実験、鉄骨造骨組の損傷検知手法、に関しての研究成果を紹介します。
講師・講演内容は変更となる場合があります。東京会場では、基調講演と次の講演の順番を入れ替えて実施予定です。
建研、国総研 派遣講師
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講演要旨
基調講演
日本鉄鋼連盟では、鉄骨造の健全なる発展と普及に資することを目的に、建築鋼構造を研究する大学・研究機関等の研究者で構成する建築鋼構造研究ネットワーク(幹事長: 多田 元英 大阪大学工学研究科建築工学部門 教授)を組織しています。
本講演では、開催地区毎に、同ネットワーク活動に参画されている方々に基調講演を行っていただきます。
サブマージアーク溶接による先組ビルトHの溶接部性能と梁端接合部の塑性変形能力 (先組みビルトH梁のサブマージアーク溶接施工ガイドブック解説)
先組みビルトH梁において、複合円型の改良型スカラップを用いても、梁端溶接部の脆性的な破断を防ぐことは困難です。この破壊形式は、これまでに系統的な研究が無く、破壊のメカニズムの解明を重要課題と考え、2014年に「BH研究会」が組織され、日本鉄鋼連盟の研究助成などを受け研究が開始されました。今回、研究会の成果として「先組みビルトH梁のサブマージアーク溶接施工ガイドブック」を刊行致しました。ガイドブックでは研究会を通じて得た以下の知見を提示しております。
(1)SAWの溶接材料・溶接施工法と溶接金属の靱性値の関係
(2)先組みBH梁の脆性破壊発生メカニズムとBH梁の塑性変形能力の関係
(3)不溶着部がBH梁の塑性変形能力に与える影響
(4)圧延H形鋼梁と同等の塑性変形能力となるために必要なSAW金属の靱性値
また、ビルトHのサブマージアーク溶接施工方法についても解説しております。今回は本ガイドブックの概要をご紹介いたします。
リサイクル性を考慮した鉄鋼製品の環境負荷計算法とISO/JIS規格化
鉄鋼製品は製品寿命を迎えた後も、ほぼ全量がスクラップとして回収され転炉や電気炉でリサイクルされているため、その環境負荷はこのリサイクルを考慮して計算する必要があります。しかしこれまでは、その計算手法が確立されていないために、他素材製品と同様、資源採掘から製造までの部分のみで計算、評価されていました。世界鉄鋼協会(worldsteel)は、鉄鋼製品のリサイクルを含めた生涯環境負荷の算出法を確立し、日本鉄鋼連盟はこれを受けて国際規格、国内規格化を進めてきたところ、このたび、ISO 20915規格、およびJIS Q 20915として規格化されました。その考え方と規格の内容について紹介します。
冷間成形角形鋼管の溶接・加工品質向上と施工合理化について(その2)
本研究は、鉄骨造建築物の柱材として最も多く使用されている冷間成形角形鋼管柱を対象に、溶接部の品質向上と施工合理化を目指すものです。具体的には溶接部の要求性能を数値解析、及び、構造実験等により明らかにすると共に、溶接部の保有性能を定量的に評価する手法をまとめ、これにより、鉄骨製作工場認定制度における性能評価基準の入熱量、パス間温度の管理値を緩和することを目的とします。さらに、柱端の溶接接合部に要求される性能を適切に評価することで、より一層の施工合理化を図る溶接条件を導出します。本研究は、第1ステップとして2016年度から4ヶ年にわたり行われるもので、今回は、設計最大入熱を30kJ/cmと60kJ/cmとした溶接施工試験、及び、熱伝導解析結果についてご紹介します。
建研・国総研における鉄骨造建築物に関する最近の研究
本講演では、建築研究所及び国土技術政策総合研究所において実施している鉄骨造建築物に関する研究について紹介します。
建築研究所では、平成28〜30年度の建築研究所の指定課題として「過大入力地震に対する鋼構造建築物の終局状態の評価手法と損傷検知に関する研究」を実施しました。この研究では、地震に対する鉄骨造建築物の梁端部及び骨組の終局限界性能等を明らかにするための実験、解析等の研究を行いました。ここでは、それらの検討の中の、鉄骨梁端部の多数回繰り返し載荷実験、鉄骨造骨組の振動台実験、鉄骨造骨組の損傷検知手法、に関しての研究成果を紹介します。
国土技術政策総合研究所では、現在、国土交通省の総合技術開発プロジェクトとして「新しい木質材料を活用した混構造建築物の設計・施工技術の開発(H29〜H33)」を行っています。ここでは、その研究概要と鉄骨造関連の実験計画等を紹介します。時間割・科目・講師
講師・講演内容は変更となる場合があります。東京会場では、基調講演と次の講演の順番を入れ替えて実施予定です。
建研、国総研
派遣講師