高機能鋼材を用いた車などが、CO2削減に大きな効果
国内外において約4,200万tのCO2削減へ
高機能鋼材の使用段階での削減貢献については、日本エネルギー経済研究所により、代表的な5品種の鋼材の試算が行われています。
2020年度断面での貢献を推計したところ、5品種で3,226万t-CO2(国内使用鋼材1,007万t-CO2、輸出鋼材2,219万t-CO2)のCO2削減となりました。また、2030年断面における削減ポテンシャルは約4,200万t-CO2※と推定されており、日本鉄鋼業では、これからも高機能鋼材の新たな開発を進めながら、国内外への供給による抜本的なCO2削減を追求し、カーボンニュートラルへの挑戦を行っていきます。
※日本エネルギー経済研究所において確立された対象鋼材毎の削減効果算定の方法論に基づき、同研究所において一定の想定の下、2030年の削減ポテンシャルを算定したもの。
鉄はさまざまな用途や製品に使われています。特に製造業との連携で開発した高機能鋼材は、最終製品として使用される段階においてCO2削減に貢献しています。
今後とも確実な需要増加が見込まれるハイブリッドカー・電気自動車用の高張力鋼板や電磁鋼板、石炭火力のUSC(超々臨界圧)ボイラー用の高強度・高耐食性鋼管など、高機能鋼材はカーボンニュートラル社会の実現に不可欠なものとなっています。
カーボンニュートラルへの挑戦を支える高機能鋼材
ハイブリッドカー・電気自動車
ハイブリッドカー・電気自動車モーター用高効率無方向性電磁鉄板による燃費向上・高出力・小型軽量化。
※ 日本を代表するハイブリッドカーの例では、世界累計販売台数410万台により、2017年は年間で580万t-CO2の排出抑制と試算されている。(出所:トヨタ自動車HP)
超々臨界圧ボイラー
超々臨界条件に適用できる高湿強度が高く、水蒸気酸化・高湿腐食に 強い鋼管による発電効率の工場
※ 日本製の鋼管は、1993〜2008年に世界で191基の超々臨界圧ボイラーに使用されており、これらの発電効率改善により、石炭使用量が削減されることで、CO2削減効果は6,600万t-CO2/年と試算される(亜臨界圧、超臨界圧との比較)。