企業間での取り引き行為に関する各種情報は、受発注・納入・検収・支払いに至る各段階で相互に交換されます。この相互に且つ複数の相手先と情報を交換するに当たっては、広く合意された一定のルールに従った「データ交換の規約」の元に行われるのが合理的です。

 また、多くの商取引は製品(現物)の受渡しを伴います。製品に関する情報を受け取っても、情報と製品を結び付ける手段に人手を介さない方法が講じられなければ作業は効率化しません。そこで、製品そのものに識別するための情報を付与する役割としてバーコードの利用が考えられます。

 鉄鋼業界では、企業間データ交換の推進を目的にEDIの標準化活動に取り組み、業界標準として「鉄鋼EDI標準」を策定・実運用しています。「鉄鋼EDI標準」は、EDI情報と鉄鋼標準バーコードをセットで運用することにより業務の大幅な効率化を図ろうとするものです。

 コイルセンターにおける入庫・出庫管理業務を例に「鉄鋼EDI標準」の導入効果を整理してみると、業務面では以下の導入効果が期待できます。

  1. 現品コイルの到着前にデータを入手し、事前に入庫・加工手配が可能となるため、現品到着から作業終了までの時間が大幅に短縮できます。

  2. 社内システムにデータを自動的に取り込めるため、手入力に比べ作業時間・人件費の削減が図れ、しかも入力ミス等が発生しないためデータ精度が向上します。

  3. EDIとバーコードの自動照合により、検収作業の効率化が図れます。

  4. 出荷確認は、加工済みの梱包材に付与されたバーコードと出荷指示情報を突き合わせるだけで良く、目視で出荷指示内容と現品を検品するのに比べ、出荷時の検品時間短縮と誤出荷防止が図れます。

  5. 輸送中の鋼材についても情報が得られるため、調整財源の拡大が図れます。





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