鉄鋼EDI標準では、鋼材製品に貼付される現品ラベル等にバーコードを表示し、これを読み取ることによって、EDIメッセージとの対応をとる事ができる仕組みになっています。
たとえば、鋼材現品受入れ時にラベルに表示されたバーコードをスキャナーで読み取ることで、事前に伝送されたEDI情報と鋼材現品とを照合し、検収業務を正確・迅速に行えるほか、日常の在庫管理、出庫管理業務等に利用することも可能です。
このバーコードは、現在、薄板用の2様式と棒線用の1様式が規定されています(詳細は、「鉄鋼EDI標準(2001年版) V.3 バーコード標準」をご覧下さい)。
なお、薄板ラベル二次元バーコード標準についてはこちらをご参照ください。
(1)EDIとのセット運用が前提
@ | バーコードは、これを表示したラベルを現品に貼付して需要家へ提供します。 |
A | この現品に関する詳細情報は、EDIによって需要家へ提供します。 |
B | バーコードラベルとEDIメッセージとは、キー項目で関連付けされており、需要家は印字されたキー項目のバーコードを読み取る事で、その製品に関するEDIメッセージを参照することができます。 |
C | この様な考え方に基づき、バーコードの記載項目はEDIとのマッチンングキー(供給者企業コード、現品/梱包番号)、と主要項目のみに限定しています。 |
(2)国際先行標準に準拠
米国のAIAG(Automotive Industry Action Group)他の主要先行標準に準拠しつつ、国内鋼材取引の実態にあわせラベル縮小等の調整を加えました。
(1)主な特長
@ | Code39を使用(チェックディジットなし) |
A | データ識別子はFACTを用いる |
B | バーコード記載項目は最大5項目 |
(2)添付形態と使用様式
品種・梱包状態 | ラベル添付形態の例示 |
添付形態 (原則) |
使用様式 (原則) |
薄板コイル/シート ・熱延鋼板 |
貼付ラベル
|
![]()
|
|
棒線コイル及び結束材
|
![]() |
フープシール
|
![]()
|
![]() |
タグ(荷札)
|
(3)運用方法
1 本標準の様式は、国内向け及び合意の得られた輸出向けを対象とします。
2 但し、ここに規定されていない品種は、今後検討予定です。
3 添付位置は以下のとおりとします。
@ 一体型バーコードラベルの場合、製品ラベルと同運用
A 分離型バーコードラベルの場合、製品ラベルと隣接運用4 また、バーコードラベル枚数も製品ラベルの運用に合わせます。
5 ラベル様式選定の原則
特に薄板については、製品ラベルとバーコードラベルとの一体型とするか否か、及び様式A、様式Bの選択はバーコードラベルの発行元の任意によります。
(4)様式と記載項目
様式別記載項目
3種類の様式のラベルの大きさと記載項目は、下表によります。
様 式 A |
様 式 B |
様 式 C |
||||
A−1 |
B−1 |
C−1 |
||||
大 き さ *1 (単位:mm) |
横 |
100 |
200 |
100 |
||
縦 |
90 |
46.5 |
32 |
|||
主 対 象 品 種 |
薄 板 |
薄 板 |
棒線材 |
|||
主 添 付 形 態 |
貼付ラベル |
貼付ラベル |
フープシール |
|||
識別子 |
最大桁数 |
○ |
○ |
− |
||
記 載 事 項 |
材料識別コード | P |
15 |
|||
供給者企業コード | 1V |
12 |
○ |
○ |
○ |
|
現品番号 または 梱包番号 |
S 3S |
15 15 |
○ ○ |
○ ○ |
○ − |
|
発注番号 または メーカー契約番号・行番 |
K 1K |
15 15 |
○ ○ |
○ ○ |
− − |
|
質量/員数 | Q |
11 |
○ |
○ |
− |
|
様式名(文字情報)*2 供給者名(文字情報) |
JISI A-1 ○ |
JISI B-1 ○ |
JISI C-1 ○ |
*1 ラベルの大きさについては、ハードの制約等により、厳密に守れない場合がある。
*2 JISI:「鉄鋼EDI標準」のBPID(Business Protocol
IDentification): Japan Iron & Steel Industry
(5)データエレメントの定義
データ |
内 容 |
識 |
最 大 桁 数 |
記 載 内 容
|
材料識別コード | 顧客 |
P | 15 |
注文段階で判明している顧客が明細毎に指定する管理bP。顧客側での照合を目的とする。 |
供給者企業コード | メーカー | 1V | 12 |
CII標準企業コード 12桁 |
現品番号 *3 |
メーカー | S | 15 |
現品を識別するユニークなキーであり1年間は重複しない。 |
梱包番号 *4 |
メーカー | 3S | 15 |
梱包単位に現品を識別するユニークなキーであり1年間は重複しない。 |
発注番号 | 顧客 |
K | 15 |
注文段階で判明している顧客が発注単位に指定する管理bQ。但し、データがスペースの場合は鉄鋼メーカー契約番号・行番を表示してもよい。 その場合は識別子は‘1K’とする。 |
質量/員数 | メーカー | Q | 11 | 現品の質量および員数。但し、最大桁数は下記とする。 (内訳) |
*1 顧客指定方法は、メーカーへの注文書による運用を基本とする。
*2 顧客指定項目は、顧客の要請なき場合は打ち出さなくても良い
*3 “切板”等内容の複数鋼材が、個々の現品識別番号を保有しない場合の、いわゆる
“梱包番号”は「現品表示の最小単位」であり、この『現品番号(S)』に相当する。
*4 “スリットコイル”等内容の複数鋼材が、個々に『現品番号(S)』を保有する場合
の、いわゆる“梱包番号”“結束番号”は、この『梱包番号(3S)』に相当する。
(備考1)「現品番号」並びに「梱包番号」の項目は、そのうちのいずれか一方を表示する。
( 2)EDIメッセージとの照合キーは、「供給者企業コード」及び「現品番号」、または「梱包番号」となる。
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一般社団法人日本鉄鋼連盟 鉄鋼EDIセンター
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-2-10
TEL:03-3669-4820 FAX:03-3639-5249