関澤新日鉄副社長挨拶

 

代表挨拶 : 新日鉄 関澤副社長

2005年北京で開かれた第1回交流会では、両国鉄鋼各社のトップおよび政府関係者も含めた200名が参加し、熱心かつ有益な討議が行われ、多くの成果を得ることが出来ました。その折、今後とも継続的に交流を進めいていく旨の「覚書」が交わされ、それに基づいて今回専門家交流会が開催される運びになりました。私は、この交流会はいくつかの点で大変有意義な場であると思っております。

まず、同じ鉄鋼業に知見を有する専門家同士が、技術をベースに地に足のついた議論を行ういわゆるセクター・ベースの技術アプローチであること。

 

次に、相互発表や現場視察を踏まえ、課題・問題を共通に認識し合い、その解決策について具体的に議論することができること。

 

そして、双方ともに環境保全に関する鉄鋼業としての責務と役割を自覚して、外からの強制ではなく、自らの意志で行動していること。

また、この日中交流会は、国境を越えて同じ業界同士が本格的に協力・連携を行うという画期的なチャレンジであり、その行方は日中両国はもとより、世界からも注目を集めていること等であります。

 

2006年1月にシドニー閣僚会議で実質的にスタートした、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ、いわゆるAPPにおける「鉄鋼タスクフォース」は、まさにこの日中交流会を更にアジアパシフィック6ヶ国の鉄鋼業に拡げた、官民共同での取り組みであります。ここでも、世界の鉄鋼生産の4割を占める日中両国鉄鋼業の一糸乱れぬ結束がその成否の鍵を握っていると申しても過言ではありません。

 

環境・エネルギー問題は、いかなる国や社会においても、最優先で解決すべき重要課題であり、「経済と環境の両立」は、国会が持続可能な発展を遂げていくための大前提でもあります。いまや、世界トップの鉄鋼生産国である中国と日本の鉄鋼業が力を合わせてこの課題に真正面から立ち向かい、世界に範を示していくことは、誠に意義深いことと考える次第です。

 

本交流会が、ご列席の皆様方のご協力のもとに、実り多い成果を収めることができますよう、心から念願する次第です。