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  一般社団法人日本鉄鋼連盟 2024年新年会は、1月5日(金)正午からホテルニューオータニにおいて、盛山正仁 文部科学大臣、吉田宣弘 経済産業大臣政務官、朝日健太郎 参議院議員をご来賓にお迎えし、北野嘉久 会長〔JFEスチール社長〕、橋本英二 副会長〔日本製鉄社長)、山口貢 副会長〔神戸製鋼所社長〕、宇野元明 副会長〔三井物産副社長〕、北村京介 副会長〔メタルワン社長〕が出席して開催され、1,200名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

2024年新年会 北野会長年頭挨拶

 本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。
 まず初めに、本年1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」により、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対しまして心からお見舞い申し上げます。
 一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

 それでは、謹んで、新年の御挨拶を申し上げます。
 昨年は、中国の景気停滞や欧米の金融引き締め長期化等による世界経済の減速、ロシアのウクライナ侵攻長期化に加え中東情勢緊迫化により原料・エネルギー価格の高止まりが続くなど、厳しい事業環境下にありましたが、当連盟会員各社におかれましては、様々な企業努力により、これら困難な状況を克服してこられました。
 わが国経済を取り巻く環境は、コロナ禍からの回復が見られるものの依然先行き不透明ではありますが、政府においては、デフレ経済脱却・成長型経済への転換を掲げ、政策を総動員し成長と分配の好循環を作り出し、経済を持続的な成長軌道に乗せることを目指しております。鉄鋼業界もこの好循環が力強く回るよう積極的に貢献し、もって業界の持続的発展につなげていくことが重要と考えております。
 このような視点も含め当連盟としての最重要課題を申し上げたいと思います。

 第一に、「2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み」について申し上げます。
 日本鉄鋼業は、世界最高水準の技術力により、日本のものづくり産業を支えて参りましたが、将来にわたり、我々が日本を支え続けるために避けては通れないのが、カーボンニュートラルへの挑戦です。
 昨年末には、GX移行債の活用をはじめとする投資促進を加速するための分野別投資戦略が決定されました。
 また、令和6年度税制改正大綱では、戦略分野国内生産促進税制の創設が明記され、グリーンスチールを含むオペレーションコスト支援も示されました。日本鉄鋼業が世界に先駆けて脱炭素化を進めるために不可欠な一連の政策が矢継ぎ早に打たれたことに対して、改めて御礼申し上げます。
 カーボンニュートラルの実現による国際競争力強化のためには、研究開発の成果を国内での設備投資に結びつけていけるかが鍵となります。
 また、国際貿易財である「鉄」は、国内だけでなく、輸出市場の獲得が不可欠であり、戦略投資への支援においては、国際競争上のイコールフッティングの確立も必要となります。
 我が国の産業競争力の強化に向け、設備投資費用やオペレーションコストの増加に対する長期的な支援措置については、昨年、一連の政府の政策で進展が見られたことを高く評価するとともに、産業用電力価格の国際競争力の確保・新たなインフラとなる水素サプライチェーンの構築・CCSスキームの構築、さらにはグリーン鋼材の需要形成に向けた調達支援による需要喚起措置など、投資判断に踏み切る後押しとなる様々な政府のご支援の下、鉄鋼業として、GXと事業成長を両立させるための積極的な投資を実行して参ります。
 また、EUの炭素国境調整措置(CBAM)をはじめとした、通商と環境が絡み合った政策の導入等が、自由で公正な鉄鋼貿易の維持・発展に影響を及ぼし得る状況です。 こうした動きに対し、日本政府等と連携し、的確な対応に努めて参ります。

 次に、「成長と分配の好循環による経済成長に向けた取り組み」について申し上げます。
 国際競争力の確保に向けて、我が国の経済が、好循環を生み、発展を遂げるためには、賃上げが極めて重要なポイントであると考えております。
 賃金引上げと、政府による経済対策を両輪に、賃金と物価の好循環の実現を目指し、加盟各社においてもそのための努力を行っていく決意であります。

 最後に、「安全対策の推進」について申し上げます。鉄鋼連盟では、安全を最重要課題の第一に位置付け、「安全は全てに優先する」との揺るぎない基本理念のもと、“重大災害ゼロ”の達成に向けて、労働災害の未然防止に資する様々な安全活動を実施し、安全衛生活動の一層の水準向上を図って参りました。
 重大災害件数は減少傾向にあるものの、重大災害の発生をくい止めることはできませんでした。
当連盟では、引き続き作業現場に潜む如何なるリスクも見落とすことなく、死亡災害を発生しない、発生させないことを最優先に位置付け、安全対策に関する取り組みに更に一層、果断に推進して参る所存であります。

 以上、課題認識、主な取り組みについて申し上げました。
 日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んで参ります。
 この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、改めまして、このたびの能登半島地震による被災地域の一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。
 そして、本日お集まりの皆様、また、関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせていただきます。
 ご静聴、有り難うございました。


北野会長


盛山文部科学大臣

 

吉田経済産業大臣政務官

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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