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ISO 20915(鉄鋼製品のライフサイクル環境負荷計算方法の国際規格)の発行について

 2014年から日本鉄鋼連盟が主導して進めてきた鉄鋼製品のライフサイクル環境負荷計算方法の国際規格が本年10月12日に承認され、11月12日にISO 20915 Life cycle inventory calculation methodology for steel products規格として正式に発行されました。
 これまで日本鉄鋼連盟では、「鉄は、じつは軽い。」というメッセージを掲げ、鉄が地球環境にやさしい素材であることをアピールしてきました。今回の国際規格は、製品の環境性能をリサイクルを含めたライフサイクル全体で定量的に評価する方法を提供します。これを用いると、リサイクル性に優れた鉄のような製品の環境負荷が低いことが示され、この手法が最終消費者を含めたユーザーが製品を選択する基準の考え方として定着すれば、循環型社会を推進するための有効なツールとなります。

◆「地球にやさしい」製品を正しく知るために 〜LCAという手法〜
 製品が環境に与える影響は、その製造や使用段階だけが注目されがちです。しかし、それらだけで環境性を判断することは必ずしも正しくありません。
 たとえば、環境に優しいエコな食器を選ぶ際に、製造時に排出するCO2や、使用する水などの量を考えるだけで充分でしょうか?使い捨て食器は、製造するときの環境負荷は小さくても、作る数量が大きく、また大量の廃棄物にもつながるかもしれません。一方で、使い捨てしない食器は製造するときの環境負荷は相対的に大きくなったとしても、何度も使うことが出来ます。
 このように、製品が環境に与える影響は、原料、製造、使用、廃棄からリサイクルまでライフサイクル全体で考えることが重要です。このような評価手法をLCA(ライフサイクルアセスメント)と言います。

◆今回のISO発行の意味
 今回、私たちは鉄鋼製品の環境への影響をライフサイクル全体で考える計算方法を国際規格化しました。鉄のリサイクルが環境に優しいことは知られていますが、これまでそれを定量的に評価する方法はありませんでした。本規格のポイントは、このリサイクル効果を評価する方法を定めた点にあります。
 例えば、10円玉は常に10円の価値を持って社会に流通し、何度も繰り返し使われています。同じように、繰り返しリサイクルされ使われる鉄鋼材料では、スクラップに姿を変えても環境負荷を持っていると考えることがポイントです。スクラップを使うときにその環境負荷を加え、同時に、次に製品寿命が終わって再びスクラップとなった鉄を使うときに引き継がれる環境負荷を差し引きます。こうした考え方により、何度でも何にでも生まれ変わる鉄鋼製品の環境影響を正しく評価できるようになりました。

詳細は以下をご覧ください。

ISO 20915発行について

(ご参考) 鉄鋼製品のLCA

本件に関するご連絡/お問合せ先:

一般社団法人日本鉄鋼連盟 総務部 総務・秘書・広報グループ
TEL:03-3669-4822

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