ホーム >  ニュースリリース > トピックス >平成27年新年賀詞交換会

トピックス

 一般社団法人日本鉄鋼連盟 平成27年新年賀詞交換会は、1月6日(火)正午からホテルニューオータニにおいて、宮沢洋一 経済産業大臣、麻生太郎 副総理兼財務大臣、甘利明 内閣府特命担当大臣、永岡桂子 厚生労働副大臣をご来賓にお迎えし、林田英治 会長〔JFEスチール社長〕、進藤孝生 副会長〔新日鐵住金社長〕、川崎博也 副会長〔神戸製鋼所社長〕、冨樫和久 副会長〔住友商事副社長執行役員〕、雑賀大介 副会長〔三井物産副社長執行役員〕が出席して開催され、約1,700名の参加を得て盛況裡に閉会しました。

平成27年新年賀詞交換会 林田会長年頭挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 本日はご多忙の中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会に多数ご臨席を賜り、誠に有り難うございます。

 年頭にあたりましてご挨拶申し上げます。

 昨年の世界経済は、一部の新興国で内需停滞による成長の鈍化がみられましたが、先進国では緩やかな回復基調が続きました。わが国においては、消費増税に伴う個人消費や住宅投資への影響が長引いたものの、景気は緩やかな回復の途上にあり、企業業績や雇用環境は大きく改善しました。一方で足下では、原発停止に伴うエネルギーコストの上昇、原油価格の下落、労働市場の逼迫や円安の進行など、経済成長にとってプラス、マイナスの要因が混在しており、持続的な経済成長に向けた正念場を迎えております。
 鉄鋼業につきましては、世界的な鉄鋼需給の緩和や日本国内への輸入鋼材の増加といった問題を抱えてはいますが、政府の経済対策や国内企業の業績改善などを背景に内需が堅調に推移しており、2014年度のわが国の粗鋼生産量は、昨年度に引き続き1億1千万トンを超える水準を維持することが予想されます。しかしながら、電力料金の値上げやエネルギーコストの増大により、特に電炉業の経営環境は不透明感を増しております。

 このような情勢のもと、当連盟としての課題認識、主な取り組みについて以下に申し上げたいと思います。

 第一に、企業の中長期的な成長基盤の強化について申し上げます。
 デフレ脱却、景気回復の流れを確実なものとし、持続的な成長を実現していくためには、企業が中長期的に投資を継続していくことができるような将来への期待感の高まりが不可欠であり、企業の国際競争力の向上につながる成長戦略を着実に実行していく必要があります。
 とりわけ、低廉かつ安定的なエネルギー供給の実現、適切なバランスに基づくエネルギーミックスを踏まえた温室効果ガス削減目標の設定、国内における投資・雇用の維持・拡大に資する税制基盤の整備、この三点の実現に向けて鉄鋼業界として取り組んでまいりますので、引き続き皆様方の厚いご支援を賜りたく、よろしくお願いいたします。
 なお、税制基盤の整備につきましては、昨年末に大きな進展が見られました。平成27年度の与党税制改正大綱では、法人実効税率の引き下げによる先行減税が実現し、また、補正予算において、電炉業等の電力多消費産業に対する格別の配慮が示されることとなりました。これらの措置を歓迎するとともに、政府および与党関係者のご尽力に御礼申し上げます。

 第二に、鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けた取り組みについて申し上げます。
 世界的な鉄鋼需給の緩和から、鉄鋼製品をめぐる保護主義の動きが拡がりを見せております。通商摩擦の回避のためにも、健全な貿易秩序の確立は極めて重要であり、鉄鋼業界として、タイムリーな通商関連情報の把握に努めるとともに、政府とも連携して様々な機会を通じて鉄鋼市場に対する相互理解の促進に最大限努力してまいります。その一例として、東南アジア鉄鋼協会の通商組織であるASEAN鉄鋼評議会との間で、通商、環境、標準化の3分野での協力を進めてまいります。加えて、わが国全体の貿易・投資活動の活性化に向けて、環太平洋経済連携協定「TPP」、東アジア地域包括的経済連携「RCEP」といった広域経済連携協定の締結に向けた政府の取り組みに対し、鉄鋼業界としても協力してまいります。

 第三に、安全水準の向上について申し上げます。
 鉄鋼業界では、昨年は重大災害件数が増加し、極めて厳しい安全成績となりました。企業にとって、安全は何よりも優先されなければなりません。安全で働きやすい職場環境の整備に向けて、安全教育や訓練の反復、災害発生原因と対策の情報共有化など、鉄鋼業界全体の安全水準の向上に全力で取り組んでまいります。

 第四に、国土強靭化に資する社会インフラ構築への貢献について申し上げます。
 昨年閣議決定された国土強靭化基本計画で指摘されておりますように、大規模な自然災害の発生が想定される中で、いかなる事態が発生しても機能不全に陥らない経済社会システムの構築が必要となっております。鉄鋼業界が長年にわたり培ってきた、高機能の鋼材や鋼構造を活用した技術・工法の提案と普及を通じて、安心・安全な社会基盤の構築に貢献してまいります。

 以上、課題認識、主な取り組みについて申し上げました。

 本年は、日本再興、日本経済再生に向けた大変大事な1年となります。その中で、成長の主役となるべきはわれわれ民間企業であり、日本を支えるのは技術を担うものづくり産業であるという自負を今一度胸に刻み、皆様とともに力強く本年のスタートを切りたいと思います。

 日本鉄鋼連盟は、関係各位のご理解とご支援を賜りながら諸課題に取り組んでまいります。この場をお借り致しまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年が有意義で実り多い年となりますことを心より祈念致しまして、私の挨拶とさせていただきます。


 

 

 林田会長                                     冨樫副会長


 

 宮沢経済産業大臣                                麻生副総理兼財務大臣


  

 甘利内閣府特命担当大臣

 

ページの先頭へ