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鉄鋼CO2排出量・原単位計算方法(ISO14404)発行について

 当連盟*1が2009年に国際標準化機構(ISO)へ規格化を提案した「鉄鋼CO2排出量・原単位計算方法」が、本年3月15日に、「ISO14404」として発行されました。

 生産プロセスのCO2効率指標の具体的計算方法を記述した本規格の策定は、鉄鋼はもとより全産業においても世界で初めてのことであり、また、当連盟が地球温暖化対策の一環として推進してきたセクトラルアプローチの知見を活かした日本鉄鋼業発の規格となります。更に、経済産業省も製造産業政策・基準認証政策などの観点から本規格化を推進してきたことから、今回の規格化は、我が国産業界の同様の取組に対し先鞭をつけるものとなります。

【本規格の特徴(概要)】
○ 鉄鋼の規格を扱うTC17(幹事国:日本)を検討の場とし、鉄鋼の操業を熟知した鉄鋼専門家の科学的知見により検討された、“技術に基づくボトムアップアプローチ”を採用。
○ 「日本発の製鉄所効率評価の考え方」をベースに、欧州諸国との交渉・合意を経て、特に以下の点に関し、EU-ETS(EU域内排出量取引制度 )で適用されている計算方式とは一線を画す考え方でISO化。
・製鉄所全体をひとつの測定単位とすることで、製鉄所内で発生した副生ガスや排熱の回収・活用など、 全ての省エネ対策が正しく評価できる設計。
・製鉄所の生産工程の構成差を出来るだけ小さくするため、生産工程の一部を外注した際の間接排出を考慮する考え方を大幅に取り入れ、より製鉄所の現実の省エネ努力が反映される設計。

  現在、気候変動枠組条約締約国会議(COP)においては、日本が参加しない京都議定書の枠組とは別に、カンクン合意に沿った2020年までの当面の国際的取組を推進すべく、測定・報告・検証(MRV)の運用について議論が行われております。この議論において本規格は“技術に基づくボトムアップアプローチ”を提唱する我が国及び産業界の主張に沿った発信となります。このような発信の積み重ねが、同時に交渉が行われている、2020年以降のすべての主要排出国が参加する公平かつ実効性のある新たな国際枠組みの構築に資することが期待されます。

  当連盟は、今後、二国間(日印鉄鋼官民協力会合等)・多国間(GSEP*2鉄鋼WG等)の官民連携によるセクターイニシアチブ等で、本規格を活用した日本型エネルギー管理手法を積極的に世界に普及させていくことで、地球規模での実効性のある省エネへの貢献に一層努めて参る所存です。

*1: 鉄連/環境・エネルギー政策委員会の下に官民のメンバーが参加した「鉄鋼CO2 排出量・原単位計算方法ISO 規格化専門委員会(委員長:工藤拓毅 日本エネルギー経済研究所)」を設立し、これまで規格化を推進。
*2: エネルギー効率に関するグローバルパートナーシップ





ISO14404-1(高炉一貫製鉄所)/ISO14404-2(電炉)

 

本件に関するご連絡/お問合せ先:
一般社団法人日本鉄鋼連盟  総務本部 広報グループ 
TEL 03-3669-4822  FAX 03-3664-1457

 

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