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平成21年新年賀詞交換会

(社)日本鉄鋼連盟 平成21年新年賀詞交換会は、1月6日(火)正午からホテルニューオータニにおいて、塩谷立 文部科学大臣、甘利明 内閣府特命担当大臣 (規制改革)・行政改革担当大臣・公務員制度改革担当大臣、吉川貴盛 経済産業副大臣、渡辺孝男 厚生労働副大臣をご来賓にお迎えし、宗岡正二 会長〔新日本製鐵社長〕、馬田一 副会長〔JFEスチール社長〕、友野宏 副会長〔住友金属工業社長〕、犬伏泰夫 副会長〔神戸製鋼所社長〕、金田守司 副会長〔メタルワン社長〕、米澤常克 副会長〔伊藤忠丸紅鉄鋼社長〕はじめ約1,700名の参加を得て盛況裡に開催された。

平成21年新年賀詞交換会 宗岡会長年頭挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
本日は大変お忙しい中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会にご出席賜りまして、誠にありがとうございます。
年頭にあたりまして、一言、ご挨拶申し上げます。

昨年は、非常に変化の激しい大変な一年でございました。9月のリーマンブラザーズの破綻をきっかけとした米国発の世界的金融危機が、急速に実体経済に波及致しまして、まさに100年に1度とも言われます世界同時不況の様相を呈しております。
我々鉄鋼業界も、お客様の生産の減少に加えまして、在庫調整も加わり、これまで経験したことのない、急激かつ大幅な鉄鋼需要の減少に直面しているわけであります。
今回の世界同時不況がいつ底を打ち、どの程度のダメージで済むのか、現段階では、全く予想がつきませんが、鉄鋼連盟と致しましては、社会経済発展のため、鉄鋼業が直面致します様々な課題への取り組みを、原点に立ち帰って継続・強化して参りたいと考えております。

以下、主要な取り組みについて、いくつか申し上げます。

第一は、地球温暖化問題への対応であります。
鉄鋼業界は自主行動計画に基づいて、CO2排出の削減に取り組むと同時に、実効性のある枠組みとして、セクター別アプローチを主張して参りました。
本年開始されます、排出量取引の試行実施には、団体として参加致しまして、「実質的なCO2削減に繋がるのか」、或いは、「公平なCAPの設定が可能であるのか」等、排出量取引の問題点をきちんと検証致しまして、発信してまいりたいと思っております。
また、今後の、ポスト京都の議論に向けまして、関係官庁や、関係業界の皆さまとよく意見交換し、世界鉄鋼協会とも連携をとりながら、精力的に行動してまいりたいと思います。

第二は、原料問題であります。
BHPビリトンのリオ・ティント買収提案について、経済産業省や、多くの需要業界の皆様にもご支援賜りました結果、買収断念が発表されまして、我々にとって歓迎すべき結果となりました。関係各位のご協力、ご支援に感謝申し上げる次第であります。
資源の安定供給は、引き続き鉄鋼業界の重要課題であり、今後とも寡占化への動きを注視する等、安定供給確保に必要な取り組みを継続してまいる所存であります。

第三は、鉄鋼貿易についてであります。
鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けて、EU、中国、韓国、台湾、タイ等との「鉄鋼対話」を通じまして、市場の相互理解への努力を継続して参ります。
また、経済連携協定(EPA)に関しましては、昨年、インドネシア、フィリピンとの協定が発効するなど、貿易自由化、経済活性化につながる成果があがっておりまして、経済産業省はじめ、関係省庁の皆様のご尽力にお礼申し上げますとともに、鉄鋼業界と致しましても引き続き、協力して参ります。

第四は、安全・防災への取り組みであります。
平成18年に安全衛生推進本部を設立し、安全、防災活動を推進して参った結果、労働災害が2年連続で減少するなど、成果が現われ始めております。
改めて申し上げるまでもなく、安全な職場づくりは、全てに優先いたします。会員各社におかれましては、関係協力会社を含め、一丸となって災害撲滅に向けた努力を引き続きお願いいたします。

以上、本年の日本鉄鋼連盟の課題についてお話申し上げましたが、本年最大の課題として、我々は、日本鉄鋼連盟という枠組みを超えまして、日本の経済界として、『日本経済の再生』に取り組んでいかねばならないと考えております。

昨年末、政府は、総額43兆円にのぼります景気対策を発表いたしました。
今回の対策は8月の資源高対策12兆円、10月の追加経済対策27兆円に次ぐ、第3弾であり、重複部分を除いて、累計75兆円規模になります。
その内、財政措置、いわゆる真水部分は、対GDP比2%程度となる12兆円という、米国はじめ、英国、EUと比べても全く遜色のない景気対策であります。
同時に、日本銀行も、流動性の確保に加えまして、政策金利の引き下げに舵を切り、経済危機対策を鮮明に打ち出しているところであります。
こうした政府・金融当局の施策を、具体化し、実効あるものにしていくために、関係省庁のご指導をいただきながら、経済界としても、是非ともその実現に、尽力していく必要があると思います。
例えば、JAPIC((社)日本プロジェクト産業協議会)が事務局を務めております『日本創生委員会』で議論されている、「首都圏空港機能の拡張」、「環状道路ネットワークの整備」、「直下型大地震への備え」等の社会インフラ整備・将来の国づくりの検討に参画するなど、日本経済の再生に向けまして、具体的に行動してまいりたいと考えております。

 最後になりましたが、皆様の本年一年のますますのご健勝とご発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。

  

  

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