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平成19年新年賀詞交換会

(社)日本鉄鋼連盟 平成19年新年賀詞交換会は、1月5日(金)正午からホテルニューオータニにおいて、高木美智代経済産業大臣政務官、若林正俊環境大臣をご来賓にお迎えし、馬田一会長〔JFEスチール且ミ長〕、三村明夫副会長〔新日本製鐵且ミ長〕、友野宏副会長〔住友金属工業且ミ長〕、犬伏泰夫副会長〔叶_戸製鋼所社長〕、大久保憲三副会長〔住友商事兜寰ミ長執行役員〕、多田博副会長〔三井物産兜寰ミ長執行役員〕はじめ約1,800名の参加を得て盛況裡に開催された。

平成19年新年賀詞交換会 馬田会長年頭挨拶

新年明けましておめでとうございます。
本日はお忙しい中、日本鉄鋼連盟の新年賀詞交換会にご出席頂き、誠に有り難うございます。2007年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

昨年を振り返りますと、世界経済は堅調であり、BRICsの台頭、とりわけ中国の高成長が続きました。我が国経済も設備投資や輸出に牽引され、これまで戦後最長であった「いざなぎ景気」を超えたと言われるなど、緩やかながら底堅い成長が続いています。
国内鉄鋼需要は、造船・自動車・産業機械・建設機械など、製造業が極めて好調であり、建設にも回復の動きがあるなど、力強く推移いたしました。海外に目を向けましても、アジアを中心とした高級鋼需要が旺盛で、輸出も増加し、我が国の生産量は、歩留り等を勘案するならば、実質的に過去最高レベルと言っても過言ではない水準にあります。
本年は、世界的には若干の減速感はあるものの、基本的には堅調な経済状況が続くものと思われ、引き続き昨年度並の鋼材需要が期待できると考えております。

昨年は、我が国における製造業の重要性が改めて認識された年であったと思います。製造業が我が国の景気回復に少なからぬ役割を果たし、更には、製造業における多くの企業、とりわけ、鉄鋼業に携わる多くの企業で高収益を実現しました。これは、バブル崩壊以降の大変厳しい時期を含め、製造・販売・技術開発等、あらゆる面における経営努力の積み重ねの結果であります。そして、景気循環的な好不況に極力左右されない磐石な経営基盤の確立に向けた努力は、不断のものとして今後も継続すべきものと考えます。

一方で、資源の世界的な需給逼迫の影響を受け、我が国鉄鋼業界においても、鉄鉱石・石炭や、亜鉛・ニッケルを始めとした非鉄金属等の価格高騰の影響を強く受けています。業界全体の影響額は、試算では、2003年度からの累計で2兆5千億円を超え、懸命なるコスト削減をはるかに上回る勢いであり、極めて憂慮すべき事態にあります。資源の乏しい日本の国際競争力を向上させ続けるためには何をすべきか、知恵の絞り時であります。

さて、この場をお借りしまして、私が昨今強く感じていることを申し上げたいと思います。
我が国製造業の比類無い強さは、技術開発・商品開発・コスト削減等、個々の企業における経営努力に加え、素材・部品・最終製品メーカーが連携し、個別企業の枠組を越えて付加価値を高めてきたことにあると考えます。この歴史を礎として「技術立国」としての今日の日本があるのであり、資源の乏しい我が国にあって、将来に亘って技術的な優位を維持することが、我が国製造業に課せられた使命であると考えます。「技術立国」を支えるものは、知恵と工夫、そしてそれらを生み出す人材に他ならず、これこそが、いわば「国力の源泉」であると思います。
我が国の製造業に携わる全ての者が、これらのことを常に念頭に置き、強く意識しながら、それぞれの立場で努力していくことが、今後益々重要になっていくと考えます。

これらの認識と、我々を取り巻く国内外の環境を踏まえ、本年の課題を次のように考えています。

はじめに、世界経済の一体化・グローバル化の進展に伴い、我々鉄鋼業界もまた国際的なM&Aの渦中にあるということです。粗鋼生産1億トンを超える「アルセロール・ミッタル」が誕生し、その後も、コーラス他、国境を越えた大型のM&Aの動きがあります。
M&Aにより効率的な生産・販売体制が構築されることは、有益なことであると考えます。しかしながら、株主の利益を毀損するなどの敵対的買収に対しては、個々の企業において様々な防衛策を導入しておりますが、一方で、政府におかれましては、企業買収に関する法整備に際し、法制全体としてバランスのとれたものとなるよう議論を尽くして頂きたいと思います。

次に、世界の鉄鋼マーケットにおいては様々な変化が劇的に生じておりますが、とりわけ中国は、昨年より純輸出国に転じ、その影響が更に一層大きくなっています。昨年の増値税還付率の引き下げや輸出関税の引き上げは、中国政府の鋼材輸出に対する姿勢の現れであり、評価できるものの、「鉄鋼産業発展政策」の具体施策の早急かつ確実な実行・実現を強く期待するものであります。
全世界、特にアジア地域における健全なマーケットの形成だけでなく、中国鉄鋼業の将来に亘る安定的な発展、および環境問題への対応のためにも、非効率設備の廃棄、再編統合を伴う近代化が必要であることを改めて申し上げるとともに、日本鉄鋼連盟としても技術交流や官民対話等を通じた相互理解に、継続して務めていきたいと思います。

三点目は世界鉄鋼貿易の秩序ある発展に向けた取り組みであります。
政府における主要各国との経済連携協定EPA締結交渉に関しましては、昨年11月インドネシア政府との間で大筋合意がなされました。今回の合意は安倍政権下でアジア最初の大筋合意であり、政府の重要政策課題であるEPA推進の成果として、非常に高水準の内容となりました。ここに経済産業省を始めとする関係各位のご尽力に改めて御礼申し上げるとともに、日本鉄鋼連盟といたしましても、引き続き、全面的に協力して参ります。
また、鉄鋼市場に対する相互理解を深め、健全な貿易秩序の確立・維持に資することを目的とした「鉄鋼対話」は、益々重要な役割を持つようになっています。今後も官民対話をベースとした相互理解の促進に最大限努力して参ります。

次に、省エネルギー・地球温暖化防止について申し上げます。
京都議定書の第1約束期間の開始を目前に控え、自主行動計画の目標を達成することが最重要課題であると考えます。会員各社におかれましては、技術の改善や開発、省エネルギーに継続的かつ地道に取り組んでいることと思います。
また、鉄鋼業界は、高機能鋼材の供給等を通じて、民生・運輸部門におけるCO2削減にも一定の成果をもたらして参りました。
日本鉄鋼連盟としましては、国内での活動に留まらず、昨年11月に開催しました「日中鉄鋼業環境保全・省エネ先進技術専門家交流会」にて中国鋼鉄工業協会と今後に繋がる有意義な議論・交流を行ないました。
また、昨年9月の「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ」いわゆる「APP」の開催に積極的な役割を果たすなど、日本鉄鋼業として地球規模での温暖化対策に積極的に協力して参りたいと思います。
今後も、これらの自主的な取り組みを中心とした活動を行い、経済統制的な措置につながる政策については、引き続き反対して参ります。

次に、安全防災活動について申し上げます。
近年、各種災害や設備事故が続発しており、極めて憂慮すべき事態であると認識しています。
安全衛生活動は会員各社での取り組みを基本としながら、日本鉄鋼連盟としても昨年8月に「安全衛生推進本部」を立ち上げ、従来の会員各社に加えて、関係協力会社を含めた総合的な支援施策に取り組んでいるところです。
労働災害の撲滅に向けた実効のある取り組みについて、様々な角度で検討し、それぞれの役割において、早急な成果を求めていきたいと思います。

最後に、鉄鋼業界は昨年、社会的認知度向上のための様々な活動に取り組んで参りました。
本年も引き続き「ものづくり」の大切さ、とりわけ鉄鋼産業の魅力について、様々な機会を通じて積極的に伝えていきたいと思います。

日本鉄鋼連盟は、関係省庁を始めとした関係各位のご理解とご支援を賜りながら、諸課題に取り組んで参ります。この場をお借りいたしまして、改めて、皆様方の引き続きのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。
結びにあたりまして、本日お集まりの皆様、また関係各位にとりまして、本年も有意義で実り多い年となりますことを心より祈念いたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。ご静聴、誠に有り難うございました。

 

 

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