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トピックス

2007年度の鉄鋼需要の動向

2006年12月
一般社団法人 日本鉄鋼連盟

2007年度の日本経済は緩やかな回復持続

2006年度の経済は、輸出が世界経済の拡大から堅調に推移し、内需も大企業を中心とした設備投資計画がバブル期以来の高水準となるなど、外需と企業部門の活動が牽引している。こうしたなか、景気の拡大期間は戦後最長の「いざなぎ景気」を超え、成長率は低いものの息の長い回復を示している。しかし、外需については、米国経済の減速と一服している原油高の再燃懸念があり、内需についても、企業収益に比べて個人所得や消費の盛り上がりに欠けているなどの指摘がある。この結果、2006年度の実質GDP成長率は+1.9%程度が見込まれる。

2007年度については、米国・中国経済の動向、為替、設備投資の一巡など減速要因も想定されるが、減速は軽微なものに止まるものと見られ、内需全体としては底固く推移するものとみている。民間需要主導の緩やかな回復基調が持続し、実質GDP成長率は潜在成長率近傍の+1.9%程度と見通している。

2007年度の粗鋼生産は1億1,550万t程度

2006年度の普通鋼鋼材内需は、建設部門では公共土木の低落傾向に歯止めがかからないものの、民間土木、住宅、非住宅などは前年度を上回り、製造業も自動車、造船、産業機械、電気機械など堅調に推移しており、内需全体でも前年度を上回る見込みである。また、自動車需要を主体とする特殊鋼鋼材も過去最高を上回る水準にある。
全鉄鋼輸出についても、世界的な鋼材市況の安定が続くなか、日本製高付加価値鋼材への需要が強く、前年度を上回る見込みである。
この結果、2006年度の粗鋼生産は、前年度に比べ約480万t増の1億1,750万t程度と見込まれる。

2007年度の普通鋼鋼材内需は、建設部門では高水準が続いた反動等もあり前年を若干下回るものと想定している。製造業では現在の高水準を持続、さらに拡大するとみられることから、製造業全体で前年度比プラスと想定している。普通鋼鋼材内需全体では前年度比微減、横ばいとなる見通しである。過去最高レベルの更新が続く特殊鋼鋼材内需も引き続き高水準で推移すると見通される。
一方、全鉄鋼輸出は、著増している中国鉄鋼業の輸出動向が懸念され、日系ユーザー向け紐付きと高付加価値製品への需要は底固いものがあるものの、減少を想定している。
この結果、2007年度の粗鋼生産は、内需増・輸出減を想定して、2006年度比200万トン減の1億1,550万t程度と見通している。

 
2005年度
[実績]
2006年度
[見込み]
2007年度
[見通し]
粗鋼生産
1億1,272万t
1億1,750万t程度
1億1,550万t程度

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