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会長コメント

「低炭素社会・日本」をめざして、について

2008年6月9日
(社)日本鉄鋼連盟
会長 宗岡 正二

(英文版はこちら)

 福田総理が公表された「低炭素社会・日本」をめざして、については、日本としての実効ある国際枠組み作りと日本の低炭素社会に向けた決意表明と受け止めており、産業界としても、政府と共に引続き温暖化対策を強力に推進する覚悟である。

1.長期目標について
長期目標については、あくまでもビジョンとしての方向性を示されたものと認識しているが、60〜80%もの削減を実施することは大変なことであり、わが国経済や国民生活に深刻な影響が出ることが懸念される。
日本政府として、「クールアース革新技術計画」等で取り上げられた科学的な知見に基づき、ロードマップを作るとともに、技術開発に思い切った資源投入を行う方針を明確にしていただきたい。

2.中期目標について
既に世界最高のエネルギー効率を実現した日本が経済成長を果たしつつ更なる削減を進めていくためには、国民負担の増大や製造業の国際競争力の喪失が懸念される。先に経済産業省が公表した長期エネルギー需給見通しも、最先端の技術を最大限普及させることを前提にしたものであり、2020年までに約52兆円もの社会的負担が必要とされている。
今後のわが国の中期目標の設定にあたっては、産官学の専門家の英知を集め、具体的な削減対策と国民のコスト負担を明らかにし、国内のコンセンサスを得ることが重要である。また、その際には、福田総理の表明にある通り、セクター別アプローチによる公平な国別目標の設定と基準年の見直しが不可欠である。

3.国内排出量取引制度について
日本における分野別の進捗は、民生が大幅に増加する(2006年度実績1990年度比業務+40%、家庭+30%)中で、産業部門は自主行動計画を中心として着実に削減している(同−5%)。
自主行動計画は、各業界が世界一のエネルギー効率の維持・向上を目指し、また目標の達成をソーシャルコミットメントとして位置付け、CDMクレジットの購入を含め達成する方針であり、引き続き国内対策の柱である。
産業界に今以上の厳しいキャップを掛けても、海外からの排出権購入により資金が海外に流出し国益を損なうとともに、途上国への生産シフトにより地球規模では排出量が増加し温暖化対策にも逆行するおそれがある。
福田総理の言われる排出量取引の詳細な内容が不明であるが、総理の地球温暖化問題に関する懇談会の政策手法分科会答申でも、賛否両論があり、「欧米の動向を注視しつつ、わが国の実情を踏まえ、更に検討を継続」とされており、こうした状況を十分踏まえた対応をお願いしたい。

4.洞爺湖サミットの課題と総理への期待洞爺湖サミット及び今後の国際交渉における最大の課題は、全ての主要排出国が参加する実効ある枠組みの構築である。そのためには、@全ての国が地球温暖化の危機感を共有し、A共通だが差異ある責任原則の下、各国の状況を踏まえた弾力的かつ多様なフレームワークの構築に道筋をつけていくことが、サミット議長国として最も重要な役割である。とりわけ中国の参加は不可欠であり、日本の役割は大きい。産業界としても福田総理のリーダーシップに期待している。

以上

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