CO2を分離・回収する技術

CO2を分離・回収する技術のアイコン

化学吸収法の開発

実験手法と計算手法を活用した新吸収液・プロセスの開発

システム概要の解説図

化学吸収法とは、「吸収塔」でアミン等のアルカリ性水溶液(吸収液)とCO2含有ガスとを接触させ、吸収液にCO2を選択的に吸収させた後、「再生塔」で吸収液を加熱して、高純度のCO2を分離・回収する技術です。
化学吸収法は、常圧のガスから大量のCO2を分離・回収するのに適した技術ですが、製鉄プロセスでの適用としては開発の初期段階であり、ラボ開発と共に実際の製鉄プロセスを活用して以下のような様々な開発に取り組んでいます。

消費エネルギーを最小化する新吸収液・プロセスの開発
装置を最小化する技術開発
製鉄プロセスに及ぼす影響の定量化、対策技術の開発
分離回収コストを下げるロジック

排熱利用については、「未利用排熱活用」参照。

新吸収液開発

消費エネルギーを最小化するためには高炉ガス(BFG)からのCO2分離、アミン再生(CO2放出)に要するエネルギーを最小化する必要があり、また、設備を最小化するためには反応速度を最大化しなければなりません。
しかし、反応速度と反応熱は相反する関係にあるため、これらを両立する吸収液を開発する必要があります。
そこで、量子化学を用いて理論的に最適と考えられるアミンの分子構造を検討する一方で、統計的データ処理を行うケモインフォマティックスの手法を用いてより性能の優れた新規アミンを開発しています。

新吸収液開発の解説図

開発吸収液の評価、プロセス開発

このようにして開発した新規アミンを実際に合成し、ビーカー試験、小規模連続試験(5kg/日)を経て、実際の高炉ガス(BFG)を用いた1トン/日の小規模評価プラント試験、および30トン/日規模の評価プラントにて化学吸収プロセスの開発と総合性能評価試験を行っています。

総合性能評価試験の解説図

Chemical Absorption Test plant

このサイクルを繰り返しながら、これまでにCO2分離・回収に要するエネルギーを従来よりも約40%低減可能な高性能化学吸収法を開発しました。今後も、高性能な吸収液・プロセス開発を継続し、目標達成を目指しています。

開発目標値

物理吸着技術の開発

物理吸着法とは、流体分子と吸着剤表面との間に働くファンデル・ワールス力により吸着剤にCO2を選択的に吸着させ、減圧操作により、吸着させたCO2を高純度・高回収率で分離・回収する技術です。
物理吸着法は、簡易なシステムでありながらも低エネルギーでCO2を分離・回収できる技術です。この技術を高炉ガスからのCO2分離・回収や大規模なガス処理へ適用するのは日本初の試みです。
本プロジェクトでは3トン-CO2/日規模の評価プラントを製鉄プロセスに組み込んで、プロセス開発を行います。これによりさらなる低エネルギー化、スケールアップ技術に向けた様々な開発に取り組みます。

物理吸着の解説図 ガス分離プロセス(PSA*)の解説図

今回開発するプロセスでは、高炉ガスからCO2-PSAでCO2を分離回収した後、さらにCO吸着剤を充填したCO-PSAでN2を分離することで可燃性ガスを回収し、製鉄所での有効利用を図ります。

Pressure Swing Adsorption

最適なCO2吸着剤を選定することで、CO2回収率≧80% またはCO2濃度≧90%を達成できることが明らかになりました。

物理吸着のCO2回収率

処理能力3トン/日のベンチ試験装置(ASCOA-3)を建設し、CO2分離性能を評価するとともに、ガス前処理方法やコスト削減方法の検討を進めます。ASCOA-3での運転研究を通じて、(1)設備のコンパクト化、(2)消費電力の削減、によるCO2回収費用の低コスト化を目指しています。

ベンチ試験装置(ASCOA*-3)の鳥瞰図

Advanced Separation system by Carbon Oxides Adsorption

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