ホーム > 業界の取り組み > 鉄鋼製品と適用技術 > 学校施設 > 学校施設設備の現状と課題 > 学校施設の老朽化と耐震補強ニーズ

学校施設の老朽化と耐震補強ニーズ

2004年現在、全国の公立小中学校の総数は34,000校で、約1.6億m2の延床面積を保有しています。
建設後の経過年数別に公立小中学校の保有面積に着目すると、2004年度には、築後30年以上を経過した建物が32.4%、築後20年以上30年未満が40.5%を占めており、10年前の1994年度と比べ、急速に老朽化が進んでおります。
仮に、現在の毎年の事業ペースが継続されるとすると、1960年代央から1970年代央にかけての児童・生徒急増期に建設された校舎が一斉に老朽化し、2008年には建築後30年以上の校舎が全体の約50%、建築後20年以上の校舎が全体の約80%に達するという試算もあります。

次のグラフは、阪神大震災におけるRC造校舎631棟の被害状況をまとめたものです。
現行の耐震基準が施行された1981年以前の校舎に倒壊・大破など大きな被害が発生し、とくに1971年以前に建設された校舎ではその比率はさらに高くなっています。

これは次表のように耐震基準の変遷が大きく影響したものと考えられます。1971年には、十勝沖地震で大きな被害を受けたRC柱のせん断補強筋間隔の基準が強化されました。

1968年
十勝沖地震(M7.9、RC造の被害大)
1971年
改正建築基準法施行(柱のフープ筋間隔に対する規制を強化)
1978年
宮城県沖地震(M7.4)
1981年
改正建築基準法施行(新耐震基準)
1995年
阪神大震災(M7.3、新耐震以前の建物に甚大な被害)
耐震改修促進法施行
2000年
改正建築基準法施行

さらに、1981年には、宮城県沖地震での被害状況を踏まえて設計地震力の見直しなどを柱にした新耐震設計法が開発され、現行の耐震基準が施行されました。このため、1971年以前と1981年以降、およびその中間期に建設されたRC造校舎の耐震強度や構造性能には大きな差があります。

項目
1971年以前
1972〜1980年
1981年以降
設計地震力
×
×
柱・梁のせん断補強
×
柱・梁の靱性確保
×
×
柱・梁主筋の最低値
床のたわみ等
×

1995年1月の阪神大震災を教訓指摘として建物の耐震性向上を図るため、「建築物の耐震改修促進に関する法律」が同年12月に施行されました。学校施設については、病院・劇場・百貨店など多数の者が利用する建物とともに、耐震診断および耐震改修を実施するよう努力することが定められていますが、一部の自治体を除いて耐震診断・改修は十分に進んでいません。
公立小中学校の場合、全体保有面積の32.4%を占める1971年以前の建物は「耐震診断または耐力度調査のうえ、改築工事が必要」、40.5%を占める中間期に建設された建物は「耐震診断または耐力度調査のうえ、補強工事または改築工事が必要」と考えられるため、既存RC造校舎の耐震改修が今後の課題として残っています。

パンフレット等

  1. 1. 鉄がサポートするこれからの学校づくり
  2. 2. 21世紀の学校づくり
  3. 3. IISI(国際鉄鋼協会)「イノベーション・イン・スチール」日本語訳
  4. 4. 鋼構造入門書
  5. 5. <鋼構造学校建築>各部構法選定マニュアル改訂版
  6. 6. 鋼構造全国学校施設事例集
  7. 7. 抜刷「鋼構造を学校施設に」(季刊文教施設)
  8. 8. 鋼構造学校施設 パソコン用CD-ROM(ナレーション付き)
鉄がサポートするこれからの学校づくり鋼構造入門書<鋼構造学校建築>各部構法選定マニュアル改訂版21世紀の学校づくり
鋼構造全国学校施設事例集
鋼構造学校施設 パソコン用CD-ROM(ナレーション付き)

問合せ先
市場調査・開発本部 市場開発グループ
TEL:03-3669-4815 FAX:03-3667-0245

学校施設設備の現状と課題へ戻る

ページの先頭へ