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低降伏点鋼

低降伏点鋼とは

低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近いものであり、従来の軟鋼に比べ強度が低く、延性が極めて高い鋼材です。
低降伏点鋼と他の鋼材と比較した応力−ひずみ関係の一例を示します。低降伏点鋼は、降伏棚を有するものもありますが、概ね下図に示すようにラウンドハウス型となっています。

この低降伏点鋼を用いた履歴型制振ダンパーを建物に組み込む事で、地震時の建物の揺れが抑えられ、柱や梁などの主要構造部の損傷を未然に防ぐ事が可能です。

低降伏点鋼を使用した制振技術

低降伏点鋼を使用したダンパーは、大きくは以下に示すようなタイプに分類されます。柱や梁などの主架構にもちいるのではなく、鋼板壁やブレースなど、地震入力エネルギーを吸収する部位を特定し、制振デバイスとして部材の一部または端部に局所的に使用される例がほとんどで、必要な場合には取り外して交換できる配置やディテールとなっています。

  1. ブレースタイプ 低降伏点鋼を芯材に用い、鋼管やRCで座屈拘束したブレースが商品化されています。
  2. 壁要素タイプ 低降伏点鋼を、普通鋼板のリブにより補剛した制振壁タイプがあります。
  3. 間柱タイプ 低降伏点鋼をせん断間柱に使用した制振構造で、低降伏点鋼を早期に降伏させることで制振効果を発揮させるものです。

図

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