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高性能590N級鋼材

建築構造用高性能590N級鋼材とは

建築構造用として新たに開発された高強度鋼材で、以下のような特徴があります。

(1)降伏比上限規定:80%
(2)降伏点レンジ規定:100%
(3)板厚に関わらず強度が一定
(4)高い溶接施工性:低Ceq.、低PCM
(5)高靭性:シャルピー吸収エネルギー≧47J
(6)低不純物:P、S

(1)の降伏比の上限は、部材の塑性変形能力を確保するために設けられているもので、従来の590N級鋼に比べ10%以上低減されました。(2)の降伏点または耐力の上下限値の制限は、鋼材の機械的性質のバラツキを小さくする事で、建物の崩壊モード設定をより確実にし、設計の信頼性の向上を図るために設けられたものです。(4)〜(6)により、優れた溶接性や破壊靭性が付与されています。

高性能590N級鋼材のメリット

高性能590N級鋼材を大型断面部材に適用したときの、有用性は以下の通りです。

(1)重量低減(490N級鋼使用の場合と比較して27%減)
(2)板厚低減による構造安全性の増加
(3)溶接施工が490N級鋼の延長技術で可能
(4)板厚低減による溶接作業の省力化

高性能590N級鋼材は、最近の工業生産技術を駆使し、建築の一般部材として具備されるべき特性を最大限に盛り込んだ高張力鋼です。設計法も現設計法と整合性をもたした形で定められていて、溶接施工も従来鋼の延長技術で可能です。従来鋼と合わせて使用する事により、鋼構造の発展に大きく役立つと期待されています。

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