日本鉄鋼連盟は中国鋼鉄工業協会(CISA)との共催により、11月9日(水)〜10日（木）に「第6回日中鉄鋼業環境保全・省エネ先進技術専門家交流会」を（株）神戸製鋼所加古川製鉄所および神戸国際会議場において開催、日中両国から関係者58名が参加して盛会のうちに終了致しました。

この専門家交流会は、地球規模での温暖化防止や鉄鋼業の安定的発展などを目指して日中両国鉄鋼メーカーなどの環境保全・省エネルギーの関係者が、環境保全・省エネ分野での情報・意見交換を行っているもので、2005年 7月、北京にて両国鉄鋼業経営トップ層の参加のもとに行われた「日中鉄鋼業環境保全・省エネ先進技術交流会」において交わされた覚書に基づき毎年実施されています。また、この交流会は日本鉄鋼業が取組む、省エネ技術・設備の海外における普及による地球規模での削減に貢献する“エコソリューション”に繋がるものです。

工場見学（防塵ネット）の様子　

交流会の様子

　　

日程

2011年11月9日(水)〜10日(木)

開催地

（株）神戸製鋼所加古川製鉄所、神戸国際会議場

参加者

≪日本側：敬称略≫
日本鉄鋼連盟 環境・エネルギー政策委員会委員長　関田貴司（JFEスチール副社長執行役員）
経済産業省　製造産業局鉄鋼課製鉄企画室長　遠藤健太郎
新日本製鉄　常務執行役員　青木宏道
JFEスチール　常務執行役員　西崎宏
神戸製鋼所　執行役員　鉄鋼事業部門　技術総括部長　藤井晃二
新日本製鉄　環境部長　丸川裕之
ＪＦＥスチール　技術企画部　地球環境グループリーダー（理事）　手塚宏之
住友金属工業　気候変動担当部長　中野直和
神戸製鋼所　環境防災部長　竹内正道
神戸製鋼所　環境防災部次長　下里比佐志
日本鉄鋼連盟　専務理事　市川祐三
他　計31名

≪中国側≫
中国鋼鉄工業協会　副秘書長　遅京東
山西太鋼ステンレス株式会社　総経理　劉復興
山東鋼鉄集団有限公司莱鋼集団　副総経理　張勝生
他27　計名

会合の概要　　スケジュール詳細ＰＤＦ

○日本側の講演
日本鉄鋼業の地球温暖化への取組み状況、鉄鋼業における水銀条約への対応、革新的製鉄プロセス(COURSE50)の開発状況を説明。

○中国側の講演
鉄鋼メーカーにおける全般的な省エネ・環境保全への取組み状況のほか、環境保全に向けた具体的な対策（ダイオキシン排出削減、焼結工程における脱硫技術等）について説明があった。

交流会の総括

・鉄鋼生産が急速に増加する状況下、中国鉄鋼業は各企業とも省エネ・環境保全分野に多額の投資を行い、各種関連設備の導入を図るなど同分野への対策を強化していることが伺われた。西部地区の酒泉鋼鉄の省エネへの取組みが紹介され、宝山鋼鉄など沿海部の大手メーカーだけでなく地方レベルにも同分野への対応意識が浸透していることが確認された。

・意見交換の内容が単なる省エネ・環境保全技術の紹介だけではなく、企業における同分野での操業改善への取組み状況など、対象がより幅広くなっていることが本交流の深化の証であり、今回過去の交流会で日本側が紹介した環境・省エネ設備を中国側が導入していることが紹介されるなど重ねて交流会を開催しているなか、具体的な成果も現れ始めた。

・中国政府の規制導入が検討されているダイオキシン管理について、日本の状況について多数の質問が寄せられるなど、日本鉄鋼業の経験が中国側に共有されるべき部分が多々存在していることも確認された。

・12次5カ年計画でもエネルギー消費やCO2排出の削減目標が示され、中国鉄鋼業もこれまで以上に環境・省エネへの取組み強化が求められる状況下、日本が取組む革新的製鉄プロセス（COURSE50）の説明には多数の質問があり、新技術開発への関心の高さがみられた。

・中国側代表の遅京東副秘書長からは、中国鉄鋼業の省エネ・環境保全への取組みは急速に進歩しているものの、今後も日本とのこの分野での交流による協力、連携のための空間は非常に広く、期待しているとの総括があった。

・日本側もこの交流会を開始した2005年以降の中国側の省エネ・環境分野における取組に目を見張るものがあると認めると同時に、地球規模での温暖化対策への貢献という観点でみても、両国の交流は今後も将来にわたって末永く協力を続けることが重要であると認識した。

・日中双方ともこの交流が地球規模での温暖化対策に貢献し、持続発展可能な社会構築に資するものであることを再度認識し、今後も交流会を継続することを確認した。

本件に関するご連絡/お問合せ先：
一般社団法人日本鉄鋼連盟 総務本部 秘書･広報グループ
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