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GSEP 鉄鋼ワーキンググループ 日本が議長となり、参加各国と省エネ政策・技術等に関する活発な情報交換を行っています。

GSEP(エネルギー効率向上に関する国際パートナーシップ)は、2011年にAPP(クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ)を発展的に解消し発足した国際枠組です。官民パートナーシップにより、省エネ・環境対応技術の開発・普及・移転及び関連する技術協力を通じて、エネルギー安全保障の確保及びその表裏一体である地球温暖化対策の推進を目的とし、鉄鋼をはじめとする6つのワーキンググループごとに、様々な協力を推進しています。
鉄鋼ワーキンググループは、日本が議長国を務め、かつてAPP鉄鋼タスクフォースに参加していた日本、中国、インド、韓国、米国等を中心に、省エネ政策・技術等に関する情報交換を行っています。

  

   ≪GSEP 鉄鋼ワーキンググループ開催実績≫

EP鉄鋼ワーキンググループ 開催場所 概 括
ワークショップ 米国
Washington
GSEP鉄鋼WG立ち上げの検討
第1回会合 日本
Tokyo
・ガイドラインの策定
・アクションプランの検討
準備会合
(エネルギーマネジメントWG合同)
日本
Tokyo
「鉄鋼業エネルギーマネジメント
ハンドブック」の共有
第2回会合 フランス
Paris
・ISO14404の概要と活用方法の紹介
・各国の省エネ政策・取組の共有

(参考)APP鉄鋼タスクフォースの実績

APP(クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ)は、2005年7月に立ち上げられた地域協力のパートナーシップである。パートナー国は、日本、豪州、カナダ、中国、インド、韓国、米国の7ヵ国(カナダは2007年より参加)。APPでは増大するエネルギー需要、エネルギー安全保障、および気候変動といった問題に取り組むことを目的としている。具体的には、クリーンで効率的な技術の開発、普及、移転を行うことによってGHG排出削減等を効果的に実施するため、官民による8つの部門別タスクフォースを通じた様々な協力を推進している。

1.鉄鋼タスクフォースの概要

  • 8つの部門別タスクフォースのうち、鉄鋼タスクフォースは日本が議長国を務めている。
  • 鉄鋼タスクフォースは、2006年4月に、日本、豪州、中国、インド、韓国、米国の6ヵ国の官民による取組として開始(2007年よりカナダが参加し、現在7ヵ国)し、毎年2回の会合を重ね、これまでに着実な成果を上げている。
  • 省エネ技術の共有化、効率指標の共通化、専門家による省エネ診断などにおいて、メンバー国からの高い評価を受けている。

2.鉄鋼タスクフォース会合開催結果

鉄鋼タスクフォース 開催場所 概 括
第1回(2006年4月) 米国
Berkeley
・ アクションプランの合意
・ 技術ハンドブック第0次原稿配布
・ 実態調査(普及率)方法合意
第2回(2006年9月) 日本
Tokyo
・ 普及率調査結果一次取りまとめ報告
・ エネルギー原単位調査議論(Boundaryなど)
第3回(2007年3月) インド
Kolkata
・ 普及率調査、削減ポテンシャル評価報告
・ エネルギー原単位調査方法合意
・ 中印現地調査など議論・技術ハンドブック
・ ドラフト完成
第4回(2007年10月) 豪州
Wollongong
・ 原単位調査結果報告(ポテンシャル評価)
・ 現地調査進捗報告
第5回(2008年4月) 韓国
Busan
・ 中印製鉄所の診断調査報告と今後の展開について検討
・ 中期目標の設定、データ分析結果の正当性付与等について議論
第6回(2008年11月) 中国
Beijing
・ 技術移転上の障壁について中間報告
・ 中期目標設定に向けた具体的議論
第7回(2009年5月) 米国
St,Louis
・ 共通の目標設定方法論に関するセントルイス
・ アグリーメントに合意
第8回(2009年10月) カナダ
Toronto
・ 2005年サーベイ完了、2008年総合サーベイ合意
・ (原単位、普及率、バリア)2010年1月スタート
・ 電炉専門家会合発足、普及加速促進策情報共有

3.鉄鋼タスクフォースのこれまでの活動の主な成果

(1) 技術ハンドブックSOACT(The State-of-the-Art Clean Technologies for Steelmaking Handbook)

 ・ 22の環境保全技術と42の省エネルギー技術を収録。うち 27の技術は日本から提供。
 ・ 全ての技術はWebサイトで一般公開

(2) 環境・省エネ技術の特定

  ・ 代表的環境技術、省エネ技術、計17技術について各国の事業所プロセス毎に実態調査を実施。

?@ 代表的な省エネルギー12技術
  ・ 副生ガス回収(高炉、コークス炉、転炉)
  ・ CDQ(コークス乾式消火設備)、TRT(高炉炉頂圧発電)、CMC(石炭調湿設備)、PCI(微粉炭吹込)
  ・ 排熱回収(焼結、熱風炉、転炉、ペレット製造)
  ・ 電炉スクラップ予熱

?A 代表的な環境5技術
  ・ コークス炉ガス脱硫
  ・ 焼結排ガス脱硫、脱硝
  ・ ペレット工場排ガス脱硫、脱硝

普及率から削減ポテンシャルを評価
  (APP鉄鋼タスクフォース普及率調査データから業界にて試算:CO2排出削減ポテンシャル:
7ヵ国現状生産レベルで、年間1.3億トン)

(2) 環境・省エネ技術の特定

・ 07年12月に中国3製鉄所調査、08年1月にインド1製鉄所調査を実施。各製鉄所において、省エネポテンシャルがあることが分かったほか、環境保全面でも、焼結工場脱硫設備の導入、NOx・SOx連続測定装置の導入といった改善項目が抽出された。09年2月には、インド2製鉄所で調査を実施。

表 : 製鐵所診断結果によるポテンシャル推計

製鐵所 省エネ量 (TJ/年) CO2削減量 (kt/CO2/年)
A 23,558 2,290
B 1,995 481
C 18,544 2,080
D 9,209 1,019
E 2,308 279
F
合計 55,614 6,149

(注)F製鐵所はデータ提供がなかったため、推計不能。

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